ご無沙汰しております。3連休最終日、皆さんいかがお過ごしでしょうか。Twitterでは度々更新しておりますが、本ブログではなんと9ヶ月ぶりの更新となります。その間にも、気象予報士試験の合格体験談などを閲覧される方もいらっしゃるようで、過去記事が少しでもお役に立てているのであれば幸いです。

さて、今回、私は、以前より気にしていた「大雨は深夜に多いのか?」ということを調査してみました。どうも深夜に降る大雨が自分の中で印象に残りやすいのか、大雨といえば夜中に起きることが多いという印象にあります。みなさんはどうでしょうか?どの時間帯に大雨が多い印象がありますか?予想してから読み進めて見てください。

事実、伊豆大島で2013年に発生した豪雨(台風も絡んでいます)も、初めて特別警報が発表された近畿北部〜北陸の豪雨(これも台風がらみ)も、今年6月末の長崎県壱岐で発生した豪雨も、今年7月の九州北部豪雨の直前の島根県の豪雨(特別警報が出た)も、2014年の広島豪雨も、挙げればきりがないほど災害級の豪雨が夜の間に起きています。もちろん、日中に発生する豪雨もありますが夜中の豪雨の方が印象が強いですね。果たして、統計データとしてはどの程度、夜に大雨となっているのでしょうか?

調査は、気象庁が「数十年に一度しか発生しないような短時間豪雨」が発生した時に発表する"記録的短時間大雨情報(通称キロクアメまたはキロタン)"に基づいて行いました。

なお、データに関してはサイト(http://agora.ex.nii.ac.jp/cps/weather/rare-rain/daily/index.html.ja)に過去の記録的短時間大雨情報に関する発表履歴が載せられていましたので参考にさせていただきました。このサイトに掲載されている2013年4月〜2017年10月8日までの計333回の発表に対し、記録的短時間大雨情報級の大雨が始まった時刻が何時代(歴史の話ではなく時刻の話ですww)であったかということを調べ、度数分布といたしました。具体的には、

大分県記録的短時間大雨情報
9時大分県で記録的短時間大雨 佐伯市佐伯付近で約110ミリ 佐伯市鶴見付近で約110ミリ 佐伯市米水津付近で約110ミリ

 というような情報に対しては、9時までの1時間に関する情報なので大雨の起点は8時代、情報としては2地域示されていますが、これは1つの大雨とみなしカウント1としました。この作業を333回繰り返すことで、どの時間帯に大雨の振り出しが多いのかを調べました。

結果は、、、


驚いたことにかなり満遍なく発生しています。深夜に多いという印象とは裏腹に、そこまで深夜に偏っているというものでもないようです。深夜1時がやや他の時間帯と比べて突出しているでしょうか。その分深夜0時は少ないので結果としては均されてしまいますが。

なお、赤いラインは全体平均(13.9回:333÷24)を表しています。

また、偏っているといえば昼過ぎ〜夕方に多いですね。これについては、夏場の夕立というのが多少影響しているのかもしれません。

皆さんの予想と結果は一致したでしょうか。

ではどうして深夜に多いという印象を持っていたのでしょう。実はこの印象、あながち間違いではないと感じています。

深夜の大雨は気象警報や避難情報を発表しても寝ておられる方が多いため伝わりにくいということがよく言われます。深夜はテレビやラジオ、携帯電話を見ている方は日中に比べれば明らかに少ないでしょう。ですので、日中と同じ頻度で深夜も大雨が降るということを考えれば、当然、深夜に発生する大雨の方が予期できない、思いがけない大雨ですし、避難する時間が限られることにもなります。「気づいたら水がそこまで来ていた」などという取材を受けている方をテレビ放送で見られた方も多いのではないでしょうか。結果、災害が発生した時の被害の大きさがどうしても大きくなってしまう傾向にあるのでしょう。私たちは大きな災害ほど記憶に残りやすいですから、結果として「大雨は深夜に起こる」と深く印象付けられることになってしまうのでしょう。

このような印象を持つことは決して悪いことではなく、むしろ多くの方に持っていていただきたい印象だと思います。深夜の大雨は日中の大雨よりも危険だということを認識する人が多いほど、深夜の災害は少なくなることでしょう。そして深夜の災害が減るということは全体での災害も減るということに繋がるのですから。