3年目気象予報士の成長日記

ある大学生気象予報士が、日々の天気を通じて学んでいくブログです。 気象庁発表の天気予報の解析、解説を行っています。

2015年05月

日々の天気を会話形式でわかりやすく解説することに努めています。
おかしな点、良い点、など賛否両論コメント大歓迎です。

※発表された予報に関する責任は負いません。

コメント表示されたくないメッセージは直接以下のメールアドレス宛に送っていただければ対応いたします。
ashiyakko.tenkikkoあっとgmail.com
"あっと"は@に変えてください。

口永良部島噴火

気象庁は今日午前9時59分頃、鹿児島県の口永良部島で噴火があったと発表しました。
「口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第44号」によると、火山灰はすでに9000mまで上昇しているということです。
噴火警戒レベルは5(避難)となっており、鹿児島県によると全島避難を行っているとのことです。
全島避難といえば、かつて三宅島で行われたことがありましたね。

被害状況等については最新のテレビやインターネットニュースで確認していただくとして、ここでは気象学的な見地から見ていきたいと思います。

昨夜9時の高層気象観測によると、対流圏界面(対流圏と成層圏の境)が12000m付近に解析されています。
対流圏は雲が多く発生するように上下方向に強く混合されていますので、一度空に火山灰が舞いあげられてもその後の降水などで地上へ落ちてきます。
一方、成層圏は上下方向に安定した層で、この領域に火山灰が入ってしまうとなかなか落ちて来ず、地球全体に広がって行く可能性があります。
火山灰が成層圏に入ってしまうと、最悪の場合、火山灰は太陽光を散乱し、地上付近の日射が減少、平均気温が下がる恐れがあります。かつてフィリピンのピナトゥボ火山が噴火した際は、0.5℃下がったようです。
今後口永良部島の火山がどの程度続くのか、そしてどれほどの火山灰が飛ばされるのかによってもこの影響は大きく変わります。


続いて、地上付近の現在の風の様子を見てみましょう。

図1  午前10時のアメダス観測による風向風速
この後の記事に書くと思いますが、この時間、四国沖に低気圧があり、そこから反時計回りに風が吹いています。口永良部島(屋久島の隣、気象観測は行っていない)付近は東寄りの風が吹いているものと思われます。気象庁発表の情報も、火砕流の発生は島の北西側から南西側に広がっているようです。

では、この後の地上付近の風予想はどうなっているのでしょうか。

図2  午前11時発表の種子島・屋久島地方の天気予報

気象庁発表の予想によると、今日は概ね東寄りの風が吹くと予想されています。島の西側で火山灰などの被害が拡大しそうです。

気象庁からまだ火山灰の降灰予想などは発表されていません。この後、もし風向きが変わった時に、周囲の島にも火山灰が降ってくるのかなどは午前11時現在まだ発表がないのでわかりません。

最後に。この大噴火はまだ起きたばかりでこの後の予想や火山のメカニズムなど詳しいことはわかっていません。こういう噴火が起きるとすぐに地震との関連を考えてしまいがちで、東南海地震が起きるなどデマが流れる可能性もあります。(というかすでに流れているかもしれません。)この噴火が地震との関連がないとは完全には言い切れませんが、関連があるという科学的見地もありません。変なデマに惑わされることなく、正しい情報を信頼できる機関から得るようにしましょう。

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道路交通法の改正 自転車に乗る人は注意

今回はお天気と全く関係ない話題。しかし、お天気と同じくらい身近な話題です。

突然ですが、皆さん、道路を使ったことはありますか?

ありますよね。ない人はいないはず。通勤通学の際、買い物の際など必ず道路を使いますね。その時の規則をまとめているのが道路交通法。基本的には自動車に対するものが多いですが、自転車や歩行者に対するものもあります。一応、赤信号は止まりましょうなんてのもあります。歩行者に関しては、たとえ無視しても注意を受けるくらいで罰金刑とかも基本的にはありませんが。「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」何ていう川柳や、「大阪名物 斜め横断」という文化もあるくらいですし。

さて、この道路交通法が改正され、6月より施行されます。今回変更になるのは主に自転車に対するもの。
自転車に乗る人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。車と違って、維持費も安いですし、道路税もかからないにもかかわらず、体力さえあれば自動車並みの時間で目的地に着くことができる便利な乗り物です。日本では自転車が普及しているにもかかわらず、自転車に対するルールがそれほど厳格でないのが事実です。自転車に乗っている時、車に乗っている時は意識する標識などあまり気にしないという方も多いでしょう。ついつい無視してしまっても、どうせ捕まらないしという考えがあるのでしょう。しかし、それがために重大な事故を起こしてしまうことも多々起きているようです。場合によっては多額の損害賠償を支払われることも。

このようなことから、警視庁はこのほど、自転車のルールを明確にし、取り締まりを強化しようということで道路交通法を改正しました。
例えば、今までこんなことしたことありませんか?
iPodで音楽を聴きながらや携帯電話を操作しながらの自転車
雨の日に傘をさして自転車
夜にライトをつけず自転車
歩道走行中に歩行者が邪魔でベルを鳴らす自転車
酒を飲んで自転車(これはあまり見かけない)
これらは危険な運転行為として取り締まり対象になります。

これさえ止めれば問題ないと思いたいところですが、実はこれだけではないのです。上のような行為をしている人はよく見かけますがそれでも自転車に乗っている人の半分にも満たないのではないでしょうか?

実は、本当は今までも違反なのに多くの人(8割以上)がしている行為があるのです。それは、
歩道(自転車走行可能歩道も含む)を普通の速度で乗る(交通弱者を除く)
歩行者の渡っている横断歩道を自転車に乗って渡る
ということです。
実はこれ、違反行為なのです。
道路交通法によると、自転車が歩道を通る時は徐行(概ね10km/h以下/人で言う所の早歩きくらい)することとあります。一方、平均的な自転車の速度は20km/hくらいで、坂道などでは30km/hくらい出ることもあるでしょう。普段見かける歩道の自転車で徐行している人はほとんどいないでしょう。そんなことしていたら2倍も3倍も時間がかかってしまいます。
また、横断歩道についても、歩行者がいない状態では乗ったままで構いませんが、歩行者がいる時は降りて渡る必要があります。6月からはこちらも危険行為として取り締まり対象になる可能性があるので注意しましょう。

その他の危険行為としては、
信号無視や道路標識無視(ついつい歩行者気分でしてしまいそう)
横並びの自転車(家族連れや友達同士で注意)
遮断棒が降りてからの横断(これは歩行者でもしないことですが悪質な人はやるようです)
ブレーキのない自転車(こんなのあるのか?どうやって止まるんだろう…)

などがあげられています。

自転車は法律上、軽車両という位置づけです。道路標識も信号もしっかり守らなければなりません。

では、どのようにすれば違反せず自転車に乗れるのでしょうか?
普通の速度で走りたいなら、原則は車道を走りましょう。ただし、車道も、路側帯よりを走り、逆走は禁止です。
それから、交差点の信号ですが、車道を走っていても、歩行者信号に自転車の表記があればそちらに従います。つまり車より先に止まるということですね。歩行者信号に自転車の表記がなければ車用信号に従います。
信号に引っかかって遅くなるという意見もあるかと思いますが私はあまりそうは思いません。
自転車は乗っていれば軽車両ですが、降りれば歩行者扱いです。どうしても急いでいるなら、左折に限っては、信号が赤になった時点で自転車から降りて歩道に行き、左折した後車道に出て自転車に乗ればいいのです。
これは法律の悪用(法律の穴を探している)という人もいますが、一応文句を言われる筋合いはない行為です。

6月からの改正を知っている人、知らない人それぞれ多くいるでしょう。おそらく街中を見ると、6月1日とかは今まで通り違反して走行している人が数多く見られることでしょう。警察側もあまりの多さに注意を怠る可能性もあります。しかし、抜き打ちで注意されることもあるかもしれません。
この注意、3年間に2回以上されると、講習を受けなければならないとされています。
講習に行かないと5万円の罰金、講習に行っても5千円の講習代を取られます。こんなところで無駄金を使わないよう、この機会に正しいルールを学びましょう。事前にルールを学ぶのは無料ですから。

それから、普段通勤通学や買い物に利用する道をあらかじめよく知っておくことも必要かと思います。そのためには一度目的地まで車道を通って、交通ルールを守りながら乗ってみることをお勧めします。もし違反行為をしても、5月いっぱいはまだ大丈夫ですから、この週末などに家族とともにルールを再確認することをお勧めします。
ちなみに、この週末の天気ですが、九州を除いて30日土曜日は晴れ、31日日曜日は北から南まで雨の予想ですから、土曜日がお勧めですかね。

ここまで自転車に乗る人向けに書いてきましたが、最後に車に乗る人へお願いしたいことがあります。
この改正により、車道を通る自転車が増えることになるでしょう。車にとって、車道の自転車は迷惑かもしれません。しかし、法律がこうなっている以上、どうしようもありません。今まで、車道は車と接触しそうで怖いから歩道を通っていたという人もいるでしょう。そういう人も勇気を出して車道を通るわけですから暖かく見守ってほしいものです。車道を走っている自転車を見たら少しだけ自転車との間隔が広がるように通ってもらえれば自転車側も安心して乗れると思います。

2分で見る今日の天気(2015年5月28日)

5月もあと今日を入れて4日となりました。早いですね。そろそろ梅雨入りかなと思いたいところですが、今年の梅雨はどうなることやら…他の気象予報士さんの話を聞いていると、やはり梅雨入りは遅れるのではとの声があります。
そんな今日の天気を見ていきましょう。


図1  午前6時の地上天気図


【沖縄/小笠原】
連日、梅雨前線が気になる梅雨の地域です。少しの南北移動で雨の降る地域が変わってくるので注意が必要です。
午前6時の地上天気図では、昨日とあまり変わらない状態ですが、この後、前線は北上し、今日は奄美地方と沖縄本島で雨、石垣島では晴れという予想です。
東シナ海の上空に寒気を伴った気圧の谷があるため、大気が非常に不安定になります。そのため、今日の降りかたには注意してください。
午前6時から深夜までに、沖縄と奄美の多いところで100mmの雨が予想されています。
また、午前9時の雨雲レーダーで、沖縄付近には強いライン上の雷雨域があります。落雷や突風にもお気をつけください。
小笠原付近も前線がかかるので今日は雨です。

【九州】
一応高気圧に覆われてはいますが、中心からは遠く、高気圧の縁を回る暖かく湿った南風が地上付近に入りそうです。先日ども書きましたが、上空に寒気があるので大気は不安定。前線のかかる沖縄ほど強いレーダー雨ではありませんが、それでも今日は雨の降りやすい天気の予想です。

【その他の地域】
基本的には東から高気圧に覆われて晴れる様子です。ただ、上空の寒気が西から迫っています。高気圧内の時計回りの風によって、暖かく湿った南風が入ってきます。よって大気はやや不安定です。日中の気温が高くなったり、地形的に風が上昇する内陸部(特に関東北部や長野県方面)では雷雨の可能性がありますが、それ以外は雲が多いくらいで、雨は予想されていません。
湿った空気が流れ込むということで今日は湿度が高く、蒸し暑くなりそうです。

図2  午前9時発表の天気予報

(画像の出典は全て気象庁HP)

各地で光化学スモッグ注意報(2015年5月27日)

午前中の記事で光化学スモッグへの注意を促しましたが、やはり各地で光化学スモッグ注意報が発令されました。
17時現在、以下の地図の黄色い自治体で発表されています。
最新の発表状況は、環境省が作成しているそらまめ君(http://soramame.taiki.go.jp/MainOxMap.php?BlockID=06)に掲載されています。

図  17時現在の光化学スモッグ注意報発表状況

関東甲信、京阪地域、兵庫県太子町、岡山南部では特に光化学スモッグに注意してください。

ところで、光化学スモッグ、光化学スモッグと言っていますが、結局何なのでしょう。
これは、大気中の化学物質(例えば工場のガスや自動車の排ガスなどに含まれる)が、強い紫外線を受けて反応し、有害物質ができる現象です。このことからも強い日射が必要で、夏に起きやすい現象です。また、ほんの少しの量なら問題ないのですが、量が増えてくると、頭痛やめまいなど体調不良となることがあります。風が強いと拡散され、薄まるのですが、風が弱い時はどんどんたまっていき、濃度が高まる恐れがあります。

今日は日中各地で真夏日となりました。
午後5時までの最高気温は、
東京で30.2℃
京都で33.6℃
大阪で31.3℃
岡山で33.6℃
などと各地で30℃を超えました。
風速を見ても各地で3m/s以下と弱い状態が続いています。
光化学スモッグ発生条件が揃ったわけですね。

この後は夕暮れを迎え、次第に濃度は低くなってくるとは思いますが、注意報が発令されている間は、特に、屋外での活動に注意してください。

2分で見る今日の天気(2015年5月27日)

昨日午後から、光化学スモッグに関する情報が出されています。今日いっぱい光化学スモッグに注意が必要な地域があります。

図1  午前9時の地上天気図
【沖縄地方/小笠原諸島】
沖縄地方の梅雨前線は昨日以降北上しながら時計回りに回転しています。昨日の朝は北東-南西方向に伸びていた前線ですが、今朝には北西-南東方向に伸びており、昨日まで雨の中心だった大東島、石垣島方面は前線から離れ、今日は雨がお休みの予想です。一方、前線の近づく沖縄本島では夜には雨となる予想です。天気分布予報では18時以降雨の予想です。
伊豆、小笠原諸島の梅雨前線は昨日以降南下しています。今朝には小笠原諸島付近まで南下しており、今日の小笠原諸島は雨の予想です。

【北日本】
日本付近には3つの高気圧があります。それぞれが東へ進んでいます。北海道付近の高気圧と朝鮮半島付近の高気圧の間は弱い気圧の谷となっており、日中はこの気圧の谷が東北付近を通過します。そのため東北では地形的に風が上昇する内陸を中心に雨の降る可能性がありますが、平野部では概ね晴れや曇りの予想です。北海道は高気圧に覆われて晴れる予想です。

【その他の地域】
今日は西から乾燥した高気圧に覆われます。一日よく晴れる予想です。昨日の暑さが残っている空気にさらに日射が加わり、昨日以上の暑さとなる予想です。昨日は各地で真夏日となりましたが、今日も各地真夏日予想です。熱中症、紫外線に注意が必要です。また、今日は風が弱い状態が続きます。
風が弱い、強い日射がある、気温が高いというのが光化学スモッグの発生条件です。今日はこの条件を全て満たす予想で、これから夕方にかけて光化学スモッグへの注意が必要です。屋外で体に違和感を感じたら、すぐに屋内の涼しいところに入ったり、車の運転などは控えるようにしましょう。

図2  午前9時発表の天気予報

昨日は東京は最高気温29℃の予想でしたが、結局真夏日になりましたね。今日は今日も各地で真夏日予想です。
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