3年目気象予報士の成長日記

ある大学生気象予報士が、日々の天気を通じて学んでいくブログです。 気象庁発表の天気予報の解析、解説を行っています。

2016年01月

日々の天気を会話形式でわかりやすく解説することに努めています。
おかしな点、良い点、など賛否両論コメント大歓迎です。

※発表された予報に関する責任は負いません。

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冬型はようやく緩み雪の範囲は限定的 (2016年1月26日)

生徒 「各地で被害をもたらしてきた一連の寒波もようやく収束へと向かってきているようですね。」

アウル教授 「上空の寒波が抜けた後、次第に西から高気圧に覆われてきた。等圧線の間隔も広くなってきておる。全国的に風も弱くなってきておる。ただ、風が弱くなってもまだ海上では波が高い状態が続いておるのでもうしばらく高波に注意が必要じゃ。」

図1 25日夜の地上天気図
生徒 「日本付近に目立った低気圧はなくなり、西から高気圧が勢力を強めてきていますね。」

アウル教授 「昨日0時の時点で根室市と長崎市の気圧差はおよそ25hPaであったのが、今日0時の時点ではおよそ13hPaにまで縮まってきておる。ただ、日本海には北海道から朝鮮半島にかけて気圧の谷が伸びておることがわかる。この理由を見てみよう。」

図2 午前0時の水蒸気画像

生徒 「きました。水蒸気画像。青いラインが南北にくねくねしていますね。」

アウル教授 「青いラインが北に盛り上がっているところは上空の気圧の尾根、つまり上空の高気圧。逆に南に下がっているところは上空の気圧の谷、つまりは上空の低気圧を表しておる。つまり、今日本付近は上空の気圧の尾根があるが、中国大陸上には気圧の谷が近づいてきておるということじゃ。」

生徒 「なるほど。いま冬型がゆるまっているのは気圧の尾根が近づいてきたためですね。」

アウル教授 「気圧の谷が近づくと低気圧がぽこぽこ発生すると話したが、気圧の尾根が近づくと逆に低気圧は消えていく。そして冬型がゆるまっていく。これが今の状況じゃ。」

生徒 「しかし、すでに気圧の尾根は日本までやってきていて、この後は東へ抜けていくだけですね。」

アウル教授 「そうじゃのう。変わって西からは次の気圧の谷が近づいてきておる。日本海の気圧の谷はこの上空の気圧の谷が近づいてきたためにできたものじゃ。」

生徒 「今後さらに上空の気圧の谷が近づいていくと日本海の気圧の谷も発達して低気圧になったりしますか?」

アウル教授 「今の予想では低気圧までは発達しない予想じゃが、それでも今よりも発達して(深まって)北日本に接近する予想じゃ。ソシエ今夜から明日の朝にかけて北日本を通過する予想じゃ。気圧の谷が近づくということは低気圧が近づくのと同じで天気は下り坂。北陸より北の日本海側では今日も雨や雪が続くという予想じゃ。また、気圧の谷が通過する前後を中心に降り方が強まったり、落雷や突風を伴う恐れもある。」

生徒 「冬型は弱まってきたことですし、その他西日本の日本海側や、太平洋側の雨雪は解消していきそうですか?」

アウル教授 「全体的に見ればそのような傾向にある。ただ、よく見ると日本海に気圧の谷があるということは里雪型の気圧配置に似ておる。風は西日本日本海側で西寄りの、沿岸部に平行な風の予想じゃ。こういう時は、特に日本海に出っ張った部分で雨や雪が降りやすい。具体的には能登半島や島根県じゃ。これらの地域では弱いながら見里雪型のために大雪が続く恐れがある。一方で太平洋側の雪は粗大に解消しつつある。」

生徒 「冬型自体は緩みつつありますが、日本海の気圧の谷のせいで東日本から北日本や、西日本の一部の日本海側では雪が続くということですね。すでに多くの雪が積もっている地域では、落雪や雪崩にも注意が必要ですね。」

図3 今日の天気予報

アウル教授 「日中は寒いものの、昨日一昨日に比べれば気温はやや上がってくる予想じゃ。朝の冷え込みは相変わらず強く、各地で氷点下の冷え込みとなりそうじゃ。引き続き広い範囲に低温注意報が発表されているので、路面や水道管の凍結などに注意が必要じゃ。」

 
■お天気メモ■
・冬型は緩み始め、雪のエリアは縮小へ。積雪地域は落雪や雪崩に注意。
・東北や北海道は気圧の谷接近。雪が降りやすく強く降ることも。落雷突風にも注意。
・日本海の気圧のため里雪型。能登半島と島根県も降りやすい。
・全国的な強風は弱まり、太平洋側は穏やかな晴れ。
・風はおさまっても波は引き続き高め。全国の沿岸部で高波に注意。
・朝は放射冷却で冷え込みきつい。路面凍結や水道管凍結、農作物への影響注意。 

最強寒波のピークは越えたが今日いっぱい大雪注意 (2016年1月25日)

生徒 「昨日は全国的にものすごい寒さになりましたね。西日本では全県庁所在地で最低気温が氷点下になるほか、沖縄も過去最低気温を更新したようです。」

アウル教授 「何十年に一度の寒波ということで、奄美大島でおよそ100年ぶりに雪を観測するなど、異例の寒さとなった。上空の寒気のピークは過ぎ、これからは冬型は解消へ向かっていく向きにはあるが、今日いっぱいまだ冬型が続くので、引き続き雪への警戒が必要じゃ。」

生徒 「夜になって気温がどんどん下がってきているようで、非常に広い範囲で氷点下となっていますね。」

アウル教授 「沖縄本島でも北端部で3℃台まで下がるなど異常な冷え込みとなっておる。この後も朝にかけて気温が下がっていくので、朝は水道管が凍結する恐れがある。また、広い範囲に低温注意報が発表されておる。農作物への被害も心配じゃ。

図1 24日23時の気温

図2 24日夜の天気図

生徒 「冬型の気圧配置で西日本や東日本、そして南西諸島で等圧線が混んでいますね。」

アウル教授 「日本列島を通る等圧線は南北に走るというよりは所々クネクネしているため、風も真北というよりは、西寄りだったり北寄りだったりが混じっている状況じゃ。本州沿岸部を中心に5〜10m/s前後の風が観測されているが、この時間特に強く吹いているのは沖縄地方で、15m/sを超えるような風が吹いているところもあるようじゃ。」

図3 24日23時の風向風速

アウル教授 「これから冬型は弱まっていく向きにはあるが、それでも今日も東日本〜沖縄で風が強い予想で、20m/s以上の風が、瞬間的には30m/sの風が予想されておる。風だけを見れば台風並みの風となる可能性があるので、強風や暴風に注意が必要じゃ。また、風が強いということで海上は波が高くなっておる。今日は東日本〜沖縄の沿岸で6m以上の大しけとなる予想じゃ。沿岸部では高波に注意が必要じゃ。」

生徒 「雪に関してはどうですか?昨日は九州何度でも記録的な大雪になるなど、太平洋側でも積雪している地域がありますね。」

アウル教授 「これらの雪もまだ今日いっぱい続く予想じゃ。上の地上天気図で赤いラインは気圧の尾根、青いラインは気圧の谷を表す。本州内陸部は気圧の尾根、つまり高気圧となっておる。このため比較的雪雲が発生しにくい状態となっておる。一方で日本海と太平洋にはそれぞれ気圧の谷があって、この周辺で雪雲が発生しておる。このために、日本海側と太平洋側の沿岸部を中心に雪が降っておる。現時点で大規模な落雷は検知されておらんが、上空は強い寒気が入って大気の状態は不安定であるため、雪雲は全体的に発達しており、今後落雷や突風を伴う恐れもある。またこの発達した雪雲が山を越えて太平洋側、瀬戸内側に一部流れ込んでおる。この影響で例えば広島県などでも雪が降っておるようじゃ。」

生徒 「関東には雪雲はありませんね。」

アウル教授 「昨日も述べたように関東は日本海側からの距離が大きいために、日本海からの雪雲の流れ込みというのはない。また、天気図でも気圧の尾根に近いことからこの後も関東は雪が降りにくい状態が続く予想じゃ。その分気温は低く、空気は乾燥しているので、火の取り扱いなどに注意が必要じゃ。」

生徒 「今回の寒波では関東は雪が降らないということで広い範囲に乾燥注意報が出ていますね。火の取り扱いはもちろん、風邪などの体調管理も大切ですね。」

アウル教授 「それ以外の地域は、気圧の尾根が通っている瀬戸内や内陸部でも日本海側からの雪雲が流れ込んで一時的に雪の降る時間帯があるかもしれない。気温はすでに氷点下の冷え込みとなっているためほぼ確実に何か降れば雪となって融けずに積雪する可能性が高い。今降っていないからといってまだ油断はできない。」

図4 今後の予想天気図

アウル教授 「夜にかけて次第に等圧線の間隔は広がっていく予想じゃが、今日のところはまだ強い冬型で、特に日本海側を中心に大雪となる恐れがある。夜までの24時間に北陸や東北で新たに60cm以上の降雪が予想されるなどまだまだ気が抜けない。積雪の多い地域では雪崩や屋根からの落雪、着雪に注意が必要じゃ。」

生徒 「そして、雪かきをしようとした方が屋根から落ちて怪我をされるということも残念ながら起きているようですね。雪かきの際は細心の注意を払って、より多くの人と協力しながら進めていくことは大切ですね。決して無理をしないということを頭に入れておきましょう。」

図5 今日の天気予報

アウル教授 「今日の本州太平洋側も関東を除き雪マークがついておる。日中の気温は昨日ほどではないにしろそれでも5℃前後までしか上がらない予想で平年を大きく下回る寒さとなりそうじゃ。また、朝の冷え込みは今シーズン一番というところも多そうで、一時的に雪などが降った地域は路面凍結などにも注意が必要じゃ。寝ている間に雪が降って積雪などということも考えられるので、朝は早めに起きて路面状況を確認しておくと良いじゃろう。」

最強寒波到来 沖縄の雪は本当? (2016年1月24日)

生徒 「昨日、沖縄で雪が降ったという情報があったようで、それに関するコメントを昨日いただきました。沖縄では過去に1度だけ気象庁の公式記録で久米島でみぞれ観測がありますが、今回はそれに匹敵するような寒波なのでしょうか?」

アウル教授 「降ったものが雪になるか雨になるかというのは、北海道だろうが沖縄だろうが、気温と湿度によってある程度決まる。今回話題になったのは沖縄本島の宜野湾市じゃが、動画をみると降る雨が白く、みぞれになっているようにも見える。しかし、昨日の那覇市は気温は10℃を超え、湿度も50%以上あり、雨雪判定の図からは雪やみぞれになる可能性は低そうじゃ。では他にどういうことが考えられるか?沖縄本島の標高は最高で500mほどあるらしい。すると気温の逓減から500mでは海面よりも3〜4℃ほど低いことになる。つまり、昨日沖縄でみぞれが降ったという情報が沖縄の中でも標高の高い部分であれば可能性は0ではないかもしれないのじゃ。しかし、那覇市のような標高の低い地点では当然雨となっておるはずじゃから、沖縄気象台の降雪発表はなさそうじゃ。」


生徒 「沖縄で雪が降った降らなかったというのは別にして、そのような話題が上がるほど強い寒波が来ているということですね。」

アウル教授 「今まで暖冬暖冬と言われていた分、その反動が来た感じじゃが、いつ来るかなかなか予想の出来ない地震とは違って、何時頃に雪が降るのかとか、風がどれくらい強まるのかとかいうのは少なくとも数時間前になればかなりの正確さでわかることであるから、その時にどう対応すればいいのか、それさえ検討しておけば何も恐れるものではないと思っておる。」


生徒 「衛星画像で、青い丸の部分のように、日本海側では低気圧による渦巻きがはっきりわかりますね。」

アウル教授 「今回の強い寒波とは結局はシベリア高気圧と上空に気圧の谷によるものじゃった。上空の気圧の谷は、昨日の時点では中国大陸場であったが、この時間は東シナ海辺りまで進んできておる。この上空の気圧の谷が近づいてきたことで、地面付近は低気圧がぽこぽこ発生して、日本周辺には4つも低気圧ができているという状況じゃ。」

生徒 「低気圧周辺では特に発達した雪雲ができていますね。」

アウル教授 「低気圧は北陸や北海道に近づいていく向きに進んでいく。これは上空の偏西風に流されるためじゃ。これにより北海道や北陸は低気圧本体の発達した雪雲がかかっておる。低気圧自体は小さいものであるが、比較的狭い範囲に強い雪を降らせるという特徴があり、雷を伴う恐れもある。今日はこの影響で北海道や北陸を中心に大雪となる恐れがある。」

生徒 「太平洋側は関東沿岸を低気圧が進んでいますね。」

アウル教授 「東日本はや北日本は日本海側で雪が降っておるがこれは冬型のためではなく、低気圧があるからじゃ。そもそも東日本は今冬型ではない。このため太平洋側は低気圧(南岸低気圧)が進むことができてこのために関東南部などで一時雨や雪を降らせたが、この時間低気圧発は関東から離れてきていて雨雲、雪雲はなくなってきておる。関東の雨や雪はこれを持って終了となりそうじゃ。この後冬型になっていく話をするが、冬型の時は関東は雪が降らない。」

生徒 「北陸の低気圧を挟んでそれより西側では等圧線が非常に混み合っている様子がわかりますね。」

アウル教授 「この低気圧より西側は強い冬型となっておる。つまり、西日本はすでに冬型になってきておる。東シナ海には衛星画像で緑で囲ったように筋状の雲がはっきりと見える。北陸の低気圧はこの後北陸に上陸するような形で東へ進んでいく予想じゃが、これに伴い強い冬型も西から東へと広がっていく予想じゃ。上空の気圧の谷が近づくため、各低気圧は発達しながら東へと進む。本来低気圧が東へ進むだけなら等圧線が次第に広がっていくはずじゃが、低気圧自体も発達するため、等圧線の間隔は広くならず、従って風の強い状態が長く続くことが考えられる。」

生徒 「すでに西日本各地で風が強まり始めているので、この後は西日本だけでなく東日本、北日本も強風や暴風に注意が必要で、長引く恐れがあるということですね。」

アウル教授 「さて、日本海側は冬型となるということで雪雲が次々と作られていくわけじゃが、この雪雲の発達具合というのは上空の寒気によって決まる。今回のように上空に強い寒気が流れ込むと大気の状態は不安定となり発達した雲ができやすくなる。すると、ある程度まで発達した雪雲は、日本海側と太平洋側を隔てる山脈を超えて、日本海側から太平洋側へと雪雲が流れ込みやすくなる。このために今日は日本海側だけでなく太平洋側でも雪の予想が出ておるのじゃ。ただ、太平洋側の雪というのは日本海側からの流れ込みでしかやってこないわけだから、日本海側から離れれば離れるほど雪雲はなくなっていく。そして関東ほど日本海側から離れてしまうといくら強い冬型といえど雪雲は流れてこず、乾燥した空気しかやってこない。このために関東に関しては乾燥した腫れが予想されておるのじゃ。」

生徒 「関東以外の地域は日本海側からの距離がそこまで広いとはいえないために、日本海側からの雪雲の流れ込みが起きる時間帯があるということですね。」

アウル教授 「その通りじゃ。また、冬型が拡大していくと風の強い範囲も拡大していく。特に日本海側では暴風雪や、海上では高波に、さらに、この時期は満月の時期であるため、風がなくても海水位が高い大潮の時期に当たる。これに日本海側では陸地に向かう風が吹いてくるので、吹寄効果から高潮にも注意が必要になってくるであろう。」

生徒 「西日本を中心に各地で低温注意報が出ていますね。」

アウル教授 「今回は非常に強い冬型であるため、寒気がしっかり入って気温が低い予想じゃ。気温は地面から1.5mの高さを測るのが一般的じゃが、地面付近はもっと気温が低くなる。(冷たい空気はより下へ溜まるから)。すると気温が0度だとすると地面付近は氷点下になっている可能性が高い。この何が問題かというと農作物への被害が懸念される。たとえば葉物に霜がついたり、地面の中の水分が凍ったりする恐れがある。この低温注意報は、気温が低いので体調に気をつけましょうという人体への注意喚起ではなく(いや、これもあるのかもしれないが)、メインは農作物への被害の恐れがあるということでの注意喚起じゃ。ただ、例えば水道管が凍ってしまって水が出なくなるなどの影響もあるかもしれないので、 農家だけでなく低温注意報はそういう生活への影響の可能性があるということを知っておこう。」

生徒 「この一連の寒さはいつまで続きそうですか?」

アウル教授 「今後の天気図がどうなっていくのかで見て行こう。」


アウル教授 「今日いっぱいは強い冬型が続くが、その後はゆっくりと冬型はゆるまっていく予想じゃ。今日に比べれば明日の等圧線の間隔は広い。上空の気圧の谷が今日は日本上空にやってくるので今日が寒気の入るピーク。その後はゆっくりと東へ抜けて、変わって上空は気圧の尾根がやってくる。来週はまた暖かい日が週後半以降戻ってくる予想なので、それまでのこの最強寒波はしっかり乗り切ろう。」


アウル教授 「ということで今日も各地雪マークが並んでおる。東京は雪雲が流れ込んで来ないので晴れ予想じゃが、その他の太平洋側の地域は一時的に雪雨もが流れ込んで雪となる恐れがあるという予想じゃ。また。気温を見てみると大阪や名古屋で4℃、高知で2℃、福岡に至っては0℃、松江は-3℃などと、特に西日本で平年を大きく上回って極寒となる予想じゃ。沖縄の10℃も平年より10℃近くも低いという異例の寒さになりそうじゃ。沖縄でもマフラーやコートが必要な寒さとなる。暖かいのは小笠原諸島だけじゃのう。」

迫り来る最強寒波 その正体は? (2016年1月23日)

生徒 「いよいよ最強寒波到来目前のようですね。各地で警戒が強まっていて、まるで台風接近前のようですね。」

アウル教授 「台風と違って今回は非常に広範囲に、暴風と大雪をもたらしそうじゃ。それも比較的長い時間続くので台風以上に厳重な警戒が必要じゃ。特に太平洋側の地域は雪に不慣れなので、雪が少しでも積もるだけで都市機能が麻痺するくらい影響が出る恐れがある。最新の情報をしっかりチェックして対策を早めに講じてほしい。」

図1 22日21時の天気図

生徒 「まずは敵を知ることが大切ですね。そもそも今回の寒波とはどのようなものなのでしょう。」

アウル教授 「寒波とは、読んで字のごとく寒い空気の塊じゃ。小学校の理科の授業で冬はシベリア高気圧が発達すると習ったが、そもそもこの高気圧とは空気が冷やされて、上昇気流が起きない、下降気流が起きることで作られるものなのじゃ。つまり、気温が低ければ低いほど、それだけ強い下降気流、強い高気圧ができることになる。」

生徒 「昨夜の天気図ではシベリアの高気圧は1070hPaの高気圧となっていますね。これは強い高気圧なのですか?」

アウル教授 「この時期、いくら1年で一番寒い時期といえど、シベリア高気圧の中心気圧が1070hPaに達するというのは非常にまれな現象じゃ。それくらい強い寒気を持っているということじゃ。」

図2 22日夜の水蒸気画像

生徒 「今度は上空の天気図がわかる水蒸気画像ですね。上空の気圧の谷を確認することができるんでしたね。」

アウル教授 「2カ所に青いラインを引いたが、1つは日本の東にすでに抜けたもので日本への影響はない。今回話題にしているのは、中国大陸上にある気圧の谷じゃ。」

生徒 「あれ?気圧の谷って低気圧ですよね。シベリアにあるのは高気圧じゃないんですか?」

アウル教授 「実はシベリア高気圧は地面付近だけが高気圧で上空は低気圧になっている2層構造なのじゃ。上空が低気圧ということは寒気が入って大気の状態が不安定となる。しかし、地上は高気圧で大陸上では空気が乾燥しているために降水は少ないのじゃが、この寒気が日本にやって来る途中には日本海という水分たっぷりの海が存在する。この海上を風が通る間に水蒸気をたっぷり含んでこれが日本海側に雪をもたらすのじゃ。」

生徒 「これに上空の寒気が加わるということは雪雲もいつもより発達したものになるということですね。」

アウル教授 「だから大雪に注意が必要なのじゃ。」

生徒 「そういえば上空に気圧の谷があるときは低気圧がぽこぽこ発生するのですよね。」

アウル教授 「今回の場合はこのことがイメージしやすいじゃろう。日本海側で発達した雪雲ができるわけじゃから、雨雲あるところに低気圧ありということで低気圧が発生していくんだろうなということは推測できる。」

図3 今後の予想天気図

生徒 「なるほど、日本海に2個も小さな低気圧ができていくんですね。」

アウル教授 「今回の気圧の谷は前回のような弱いものではない。このため、日本海の低気圧、さらには太平洋の前線上の低気圧も発達していく予想じゃ。特に日本海の低気圧は発達しながら北日本に接近していくわけじゃから、低気圧周辺の発達した雪雲によって大雪に、そして低気圧周辺の風によって吹雪に、他にも雪崩、着雪など雪と風に関するすべてのことに気をつけなければならない。」

生徒 「太平洋側でも雪予想になっていますが、これは流れ込みですか?」

アウル教授 「本来の冬型であれば雪雲は本州中央を走る山々によって遮られて、太平洋側には乾燥した空気が吹く。これをフェーン現象だとかボラとかいう。しかし、冬型が強まり、風の強い状態になると、日本海側には発達した背の高い雲ができて、日本海側ですべての雪を降らせきれずに太平洋側に一部流れ込んでしまう。そうすると太平洋側の地域でも雪が降ることになるのじゃ。これが今週末の状況。次第に冬型が強まり、風が強くなって、和歌山や高知などあまり雪と馴染みのない地域にまで雪が降ることになる予想じゃ。」

生徒 「でも以前、関東は流れ込みでも雪にはならないくらい日本海側から離れているということでしたが、今日は東京でも雪予想が出ていますね。」

アウル教授 「よく気付いたね。実は太平洋側の雪、特に東日本太平洋側で予想されている雪は、日本海側からの流れ込みではない面がある。それは小さな南岸低気圧の存在じゃ。」

生徒 「冬型なのに南岸低気圧があるんですか?」

アウル教授 「冬型になるのはあくまでも低気圧が抜けてからのことじゃ。低気圧が日本海にあるときというのは西日本から冬型になってきている段階で東日本は冬型とは言えない。つまり、今日はまだ東日本は冬型ではないということじゃ。だから南岸低気圧が存在しても不思議ではない。上空の気圧の谷があることだし低気圧が発生するのも矛盾していないじゃろう。」

生徒 「でも今夜の予想天気図では関東の南の低気圧はかなり南の方に予想されていますね。これでは関東は雪にならないのでは?」

アウル教授 「この予想はおとといの夜発表された予想で最新の予想ではもっと北に発生する予想になっておる。よって、関東の雪というのは南岸低気圧によるものなのじゃ。」

生徒 「南岸低気圧と山越えの雪では違いがあるのですか?」

アウル教授 「山越えの雪はやはり乾燥しているのが特徴じゃろう。フェーン現象でも風下側の方が乾燥しておるのと同じじゃ。名古屋は数日前に積雪したが、これは日本海の雪が流れ込んできたもので、比較的乾いた雪(パウダースノー)という言葉もあがった。一方で南岸低気圧の雪は今週初めに東京で降ったように水分を多く含む湿った雪が多い。関東に直接海からの風が入ってくるためじゃ。雪は乾いた雪の方が積もりやすいという性質がある。このことを考えると、山越えの雪の方が南岸低気圧の雪よりも積もりやすいと考えられる。今週末の西日本太平洋側の雪というのは山越えの雪となるため積雪の恐れも十分ある。だからこそ雪への備えが必要なのじゃ。」

生徒 「大事なのでもう一度注意点をお願いします。」

アウル教授 「まず、大雪への警戒は日本海側、太平洋側問わず必要になってくる。日本海の低気圧周辺では降り方が強まったり雷の恐れもある。大雪の基準は日本海側と太平洋側では異なることにも注意じゃ。そして風が強い。これは等圧線の間隔を見れば明らかじゃ。雪と風が合わされば当然暴風雪、地吹雪が起こる。また、風とセットになるのが高波じゃ。風が強いため海は大しけとなる予想じゃから、全国的に海上は危険となる。そして、これは積雪のすでに多い地域じゃが雪崩に注意が必要。また、気温のやや高めで降る太平洋側を中心に着雪にも注意が必要じゃ。」

生徒 「具体的にどの地域にいつ降るのかみていきましょう。」


生徒 「まず未明はまだ雪の範囲は狭いですね。」


生徒 「あまり変化は見られません。」


生徒 「朝は西から冬型が強まってくるということで四国への雪雲の流れ込みが始まってくるようですね。」


生徒 「昼前になると和歌山県など近畿地方にも雪雲の流れ込みが始まるようですね。」


生徒 「昼すぎには東海地方へも雪雲の流れ込みが始まりそうです。また、関東は南から雨雲が広がってくる予想ですが、これは南岸低気圧によるものと思われますね。」


生徒 「南岸低気圧による雨雲が関東全域に広がって、夕方の関東は南部を除いて雪予想になっています。また、名古屋でも雪予想になています。」


生徒 「日本海側の冬型は北陸辺りまで進んできて低気圧の近い東北でも雪が降り出してくる予想ですね。」


生徒 「南岸低気圧が北上していくと関東の雪雲は狭くなりますが、東北太平洋側にも雪予想が出ています。また、九州でも雪が拡大する予想ですね。」

アウル教授 「以上時間ごとに見ていくと日本海側は西から雪雲が拡大していく。太平洋側は降っている時間帯自体は短いものの雪の降る時間帯のありそうという感じじゃろうか。気温次第で雪の時間が長くなったり、予想よりも雪が積もる恐れもある。」

図4 今日の天気予報

アウル教授 「あまり見かけない天気予報じゃが、広い範囲で雪マークが付いていてほぼ全国的と言えるじゃろう。各地の気温もここ数日をさらに下回って、東京は5℃と冷蔵庫並みの寒さとなりそうじゃ。今日はしっかり着込んでお出かけください。」


■お天気メモ■
・日本海には低気圧発生。日本海側を中心に大雪注意。低気圧周辺は落雷注意。
・低気圧が抜けた後は西から冬型強化。太平洋側にも雪雲流れ込む。
・太平洋側の雪は一時的だが、気温次第で積もる恐れも。
・各地で暴風雪、雪崩、着雪にも注意。
・風が強く海上は大しけ。沿岸部は高波警戒。

北日本は冬型が今日も続く JPCZもしつこい (2016年1月22日)

生徒 「テレビで天気予報を見ていると、今週末の冷え込みに関するニュースが増えてきましたね。」

アウル教授 「大寒の今日この頃、暦通りというか、今季一番の寒気がもうすぐ流れ込んでくるという予想で、日本海側は北は北海道南は九州まで雪予想、太平洋側も関東や瀬戸内沿岸、鹿児島までも雪予想と今週末も波乱の空模様となる予想が出ておる。気温も日中も5℃を切るような寒さが鹿児島でも予想されるなど警戒が必要じゃ。」

生徒 「かなり南の地域にも影響がありそうということで最大級の警戒が必要ですね。」

アウル教授 「雪が降るときの予想気温は結構難しく、予想を下回ることがかなり多い気がする。したがって、予想よりも低くなって雪が長引いたり、まさかの真冬日(日中の最高気温が0℃未満)となるようなことも頭に入れておく必要がある。」

生徒 「考えただけでも凍りそうです。」

アウル教授 「まあ、ひとまず今日はそんな心配はないから、今日のうちに明日明後日の寒波への備えをしておくと良いじゃろう。」

生徒 「寒波への備えとか言いますけど、具体的には何をすればいいのですか?」

アウル教授 「そうじゃのう。雪に慣れていない太平洋側の地域の人に雪が降るから警戒しろというだけではなんとなく感覚がつかめないのが事実じゃろう。まず、雪が降ると当然路面状況が悪くなる。歩行者が滑ったり、車がスリップすることが考えられる。歩行者は長靴、車は雪用タイヤまたはチェーンをつけることでこれをある程度防ぐことができる。また、太平洋側の地域は屋根が平らなことが多かったり、日差しを取り入れるために庇が小さい家が多い。積雪すると屋根に積もりやすかったり、玄関の前に積もってドアが開きにくくなる可能性がある。 まずは家の外に出ることのできる通路を確保しておくこと。例えば玄関前に融雪剤をまいておくという手段も考えられよう。そして積もった雪を掻けるよう雪用シャベルを用意しておくこと、この程度の準備をするだけでも随分戸惑うことはないじゃろう。また、雪の中外出したくない人はあらかじめ食料を買っておくことなどが考えられるかのう。」

生徒 「これだけ雪予想が出ているとシャベルなども飛ぶように売れるでしょうね。」

アウル教授 「今までにも東京では雪が積もるとシャベルが売り切れることがあった。雪が積もってからの行動は遅いのじゃ。あらかじめ用意しておくこと、転ばぬ先の杖じゃのう。太平洋側といえど一家に一つ雪用シャベルを。」

生徒 「どっかの通販サイトの宣伝みたいになっていますよ。」

アウル教授 「今週末の雪の見通しなどについては明日解説していきたいと思う。ひとまず今日の天気を見ていこう。」

図1 21日夜の天気図

生徒 「日本海には相変わらずJPCZ、沖縄には前線と低気圧が発生しましたね。」

アウル教授 「昨日の予想とほぼ同じような感じになっておる。昨日紹介した上空の気圧の谷は前回東京に雪を降らせたときのよりも弱いために、前線上の低気圧はひとまずこの後発達していく予想はない。ただ、前線や低気圧周辺は湿った空気が入るので激しい雨や落雷、突風に注意が必要じゃ。と言っても沖縄はすでに寒冷前線が通過したので一旦雨は回復へと向かう。」

生徒 「しかし天気分布予報によると、未明に止んだ雨が再び夕方以降降り出してくる予想になっていますね。」

アウル教授 「2つの雨は違う原因による雨じゃ。まさか低気圧が逆に引き返してくることはない。未明までの雨は低気圧や前線によるものじゃが、夕方以降の雨は大陸から張り出してくる高気圧の縁に当たるために水蒸気が入りやすくなって発生する雨じゃ。まあ、この時期沖縄で降る典型的な雨の降り方とも言えるものじゃ。」

生徒 「本州の天気はどうなっていきそうですか。まだ北日本を中心に冬型の気圧配置が続いていますね。」

アウル教授 「北海道の東には発達した低気圧がある。というよりこの低気圧が冬型を作っておるのじゃが。この低気圧は前にも話したように寒冷渦の状態で、上空のジェット気流からは離れて、低気圧を流す風が弱くなっておる。そのため動きがゆっくりなのじゃ。北日本を中心にこの低気圧による影響が続いていて、日本海側で雪が続いておる。ただ、やはりそうはいうもののゆっくり北日本からは遠ざかり始め風も弱くなり始めておる。それに伴い雪雲の範囲も縮小してきておる。」

生徒 「JPCZ付近には比較的まとまった雲が分布していますね。」

アウル教授 「今後の天気図を見てこの辺りも確認してみよう。」

図2 今後の予想天気図

アウル教授 「朝の天気図ではややJPCZは弱くなっているように見えるが、夜の天気図では再びしっかり確認できることから、強弱ありながら見やはりしぶとくJPCZは残る予想じゃ。この影響が山陰や九州北部で続いておる。今日も雪や雨が降りやすく、また、一時的に降り方が強まったり、雷を伴ったりすることも考えられる。」

生徒 「北海道付近にも気圧の谷が良くわかるようになってきましたね。」

アウル教授 「前回話した上空の気圧の谷が接近するといたるところで気圧の谷が発生する。この北海道の気圧の谷はこの後明日にかける低気圧にまでは発達する予想じゃが、それよりの発達は見込めない。ただ、弱い低気圧として北海道の西にこれまた居座る予想であるため、北海道を中心に大雪に注意が必要じゃ。そして東北から北陸の日本海側は弱いながらも冬型が続くので弱いながらも雪が降り続く予想じゃ。結局今日も日本海側は広く雪や雨が降りやすいということじゃな。」

生徒 「それぞれの雪の原因は違いますが、今日も雪対策万全にということですね。先にあげた大雪、落雷だけでなく着雪やすでに積雪の多い地域では雪崩にも注意が必要ですね。」

図3 今日の天気予報

アウル教授 「今日も気温は一桁が目立つ。この気温は平年並みで寒いのじゃが、今週末のもっと寒い気温を見るとこの気温も高めに感じてしまう。体感とは怖いものじゃ。それはともかく、今日中に明日以降雪が降ったり積もった場合のことをしっかり考えておくと、いざ実際に積もったときに素早く行動を起こせるじゃろう。もちろん、雪だるまを作るとか雪合戦をするとかそういうことではないぞ。」

 
■お天気メモ■
・北日本は今日も雪。北海道を中心に大雪注意。
・東北や北陸は冬型のため雪。ただ、やや緩んだ冬型。
・JPCZの影響で山陰や九州北部も雪。
・沖縄は未明まで雨。日中は一旦止んで夕方以降は再び雨予想。
・今週末はかなり寒くなりそう。雪への備えも早いうちに。
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