生徒 「今日は24節季の大寒らしいですね。1年で一番寒い時期と言われていますが、暦通りここ最近は東京や名古屋で積雪するなど冬らしい寒さが続いていますね。」
アウル教授 「そうじゃのう。一時は、今年の東京は雪も降らずに春を迎えてしまうのではとも思ったが、やはり暖冬といえど降るときはしっかり降って積雪するということがよくわかった年になった。東京は実はまだ芝生の上や、日中も影になる場所には雪がたくさん残っておる。今日、自転車を乗っている方が凍った歩道の上で滑って転んでしまうのを目にした。もうしばらく自転車に乗るのは控えたほうがいいかもしれん。もちろん、歩道を歩く際も、足元には十分注意して歩くように。」
図1 20日21時の天気図
生徒 「昨日に比べれば等圧線の間隔も西日本で広がってきましたね。」
アウル教授 「一時に比べれば冬型は西日本では弱まってきているようじゃ。風も5m/s近くにまで落ち着いておる。ただ、東日本、北日本に向かうにつれ等圧線は混んでいて、風もまだ強く吹いているところがある。このように、今日は、東日本や北日本では等圧線が混んで風の強い状態が続きそうじゃ。北日本を中心に強風や風雪に関する注意報、警報が発表されておる。」
生徒 「日本海と沖縄のあたりに気圧の谷があって青でマークされていますね。」
アウル教授 「今日の天気に影響しそうな気圧の谷は主にこの2つじゃ。さて、気圧の谷は低気圧の弱いバージョンであるから、その出来方としては似ておる。つまり、低気圧ができるときと同じように、上空に気圧の谷が接近するとその東側で気圧の谷はぽこぽこ生まれる。」
生徒 「でも、昨日本州に気圧の谷があったのですから、今日はもう東へ移ったんじゃないですか?」
アウル教授 「どうして気圧の谷ができたのか、その理由を昨日紹介した水蒸気画像で見てみよう。」
図2 0時の水蒸気画像
生徒 「昨日本州上空にあった気圧の谷はやはり東に抜けていますね。(濃い青い線、丸は気圧の谷部)」
アウル教授 「その流れをずっと西へたどっていくと、もう一つ新たな気圧の谷が水色のラインのところに現れておる。青いラインに比べれば、その南への張り出しは小さく、弱い気圧の谷と言える。しかし、この小さな気圧の谷でも地上に気圧の谷を作ることはできるのじゃ。しかし、やはり小さい気圧の谷はそれだけパワーも小さい。だから発達した低気圧を作ることは難しい。だから気圧の谷止まりだったり、低気圧ができてもそこまで発達しないことが多い。」
生徒 「では、日本海や沖縄の気圧の谷が今後急発達していくことは考えにくいということですね。」
アウル教授 「結論から言うと、日本海の気圧の谷はこの後もJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)として気圧の谷のまましばらく居座る予想じゃ。低気圧にまでは発達しない予想じゃが、それでもこの付近では雪の降り方が強まったり雷や突風を伴う恐れがある。一方で沖縄の気圧の谷はこの後前線と前線上の低気圧になる予想じゃが、この低気圧はあまり発達しないまま南の海上を進んで行く予想じゃ。」
図3 今後の予想天気図
生徒 「確かに日本海には気圧の谷が居座って、やや北陸から山陰へと南下する予想ですね。一方で沖縄付近では前線と低気圧が発生して東へ進んで行く予想ですが、これだけではこの後あまり発達しないということはちょっとわかりませんね。」
アウル教授 「西日本は冬型が弱まってきているという話を冒頭したが、しかし、JPCZが山陰へと近づいていくため結局西日本日本海側でも雪が降りやすい予想じゃ。」
生徒 「北海道を始め北日本や東日本は冬型が続きますね。」
アウル教授 「ここ数日で一気に雪が積もった地域はまだ雪が地面に定着していない部分があって、強風などで巻き上げられれば地吹雪による視界不良の危険が、また、斜面では雪崩の危険が、そして気温が0℃を上回る時間帯を中心に着雪などにも注意が必要じゃ。」
生徒 「まだどれくらいの雪が降りそうですか?」
アウル教授 「今日夜までに北海道では50cm、東日本でも多いところで40cm、西日本では25cmの降雪が予想されておる。日本海側の地域はもう雪にうんざりしていると思うが、今が一年で一番寒い時期、今が一番大変な時期と思って乗り切って欲しい。」
生徒 「一方で沖縄付近の低気圧や前線はどこに影響を与えそうですか?」
アウル教授 「まず沖縄地方は前線や低気圧が近いということで湿った空気が入り、激しい雨や落雷、突風の恐れがある。降り出しとしては、先島諸島では朝からすでに雨予想で夜には止んでくる予想じゃ。一方で沖縄本島地方や、前線の一番外側の雨雲がかかる九州南部では昼前後から降って深夜まで続く予想じゃ。沖縄はもちろん雨だが、九州南部ではすでに冷たい空気が入っているので気温が低い夜は雪となる恐れがある。」
図4 夜遅くの九州南部の天気分布予想
図5 今日の天気予報
アウル教授 「風速に関してはやや弱まる傾向にあるが、北風が吹くという状況はあまり変わらない。このため明日も気温が低く、九州まで最高気温が1桁予想となっておる。お出かけの際は暖かくしていってください。昨日雪の積もった名古屋などは今日朝は路面凍結の恐れもあるので引き続き歩道はお気をつけください。」
■お天気メモ■
・西日本は冬型やや緩み風は弱くなるもののJPCZで日本海側は雪続く。
・東日本や北日本は冬型続き風強し。強風、風雪、雪崩、着雪注意。
・沖縄は前線と低気圧の影響で雨。激しく降ったり雷を伴うことも。
・九州南部も低気圧の雲がかかるが、降るのは雪のところも。
・今日積雪した名古屋などは朝、路面凍結の恐れ。歩道を中心に要注意。
・東日本や北日本は冬型続き風強し。強風、風雪、雪崩、着雪注意。
・沖縄は前線と低気圧の影響で雨。激しく降ったり雷を伴うことも。
・九州南部も低気圧の雲がかかるが、降るのは雪のところも。
・今日積雪した名古屋などは朝、路面凍結の恐れ。歩道を中心に要注意。