天気。。。それは人間が生活していくうえで考えざるを得ない事項であるとともに、人間がいまだ支配することのできないものの一つです。
1年365日、天気は何らかの形で私たちの生活にかかわってきます。洗濯物を外に干そうとする主婦の方、農業をされている方、漁師、山登りに行こうとする登山家、星空観測が好きな方、屋外イベントにかかわる方、花粉症の方、家族旅行を計画している方、、、挙げだしたらきりがないほどです。その意味では、病気になった時に見てくれるお医者さんや、事件や事故の時にかかわってくる警察官といったほかの多くの職業に比べ、気象予報士という職業はより身近な存在なはずです。しかし、全国に医者は約30万人、警察官は約25万人もいるそうですが、気象予報士試験に合格している人はいまのところ1万人にも達していません。
気象予報士は日々の天気を伝えていくというだけでなく、より多くの人に天気という楽しさを伝え、興味を持ってもらうことも役割と感じています。それぞれがそれぞれの生活に必要な天気を理解することが、たとえば災害が起きた時に命を救うことになるからです。

ということで、今回お勧めするのが、ウェザーニューズ社の『ウェザーニュースタッチ』というアプリです。
このアプリは現在App Storeと、google Play ストアにあり、アプリのダウンロードは無料です。
ただし、一部コンテンツの利用には月約300円の会員登録が必要です。

ウェザーニューズ社は、民間の気象会社で、一般市民から寄せられる天気のリポートをもとにより細かい天気予報を行っています。
気象庁のホームページなどでも天気予報は行っていますが、府県ごとだったり、県庁所在地だけだったりと、局地的な予想(ゲリラ雷雨など)はなかなかできていないのが現状です。科学技術の発達により、何日も先の気圧配置を予測することはだいぶできるようになってきましたが、それは大まかな地域に分割した平均的な予想であり、○○県××市△△町レベルの天気の予想はまだまだ難しくなっていて、そこに住んでいる人のほうがよく知っているということも多くあります。富士山は多くの人が知っているから、全国的にも天気予報の対象となりうるものですが、地方の、山岳登山家と地元の人しか知らないような山の予想はおそらく天気予想の対象とはなりにくいでしょう。そんな人が少ないところの天気を予想しても仕方がないという方もいるかもしれません。しかし逆説的には、自然による事故は、すでに多くの人に知られている人気場所よりも、いまだ未開拓のような場所のほうで命が奪われている気がします。ほかにも局地予想が難しい地域があります。南岸低気圧による関東の雨雪判断もそうです。天気予想に不可欠の気温や湿度は時々刻々と変化するものだからです。アメダスによる気温観測は1時間ごとに行われていますが、こういった局地的な気象現象は1時間以内に発生から終息まで一気に進行することが多く、数分単位での監視が必要になってくるのです。また、アメダスはおよそ17km間隔で設置されていますが、それよりも小さな気象現象はいくらでも存在します。
市民から気象観測のデータを提供してもらい、それをも参考にして気象予報士が現象の予想を行い、市民に知らせるという、市民と一体となったシステムこそが自然災害で落とす命を救うことになると思います。

このアプリでは、日々の天気に関することはもちろん、季節ごとの企画も用意されています。
例えば、今の春の時期には、花粉の飛散量や、さくら情報、夏にはゲリラ雷雨情報、秋には紅葉情報、冬にはスキー情報、ほか一年中星空情報などなど。天気予報というマークだけの情報だけでなく、実際に自分の肌で季節を感じるということが天気に興味を持つことにつながるでしょう。
(皮肉なことに、皆が皆自分で天気を感じれるようになってしまうと気象予報士としての存在は薄れてしまうのですが)
まずは天気に興味を持つことからはじめてみましょう。

ちなみに昨年までは、一定のリポートを行った方には下のような観測機器をプレゼントするという企画を行っていました。

ソラヨミマスター

『ソラヨミマスター』と呼ばれるこの機器では温度や湿度、気圧、風速、露天温度など、様々な気象観測をすることができます。残念ながらこの企画は昨年末を持って終了してしまいましたが、今年よりまた新たなプレゼント企画が始まったようなので、これからリポートを始める方も一つの目標になりますね。(たまにオークションに出されているのを目にするので、いまからでも獲得不可能というわけではなさそうです。類似品(観測機能が少ない)も多くあるので、注意してください。)