6月も今日で終わりですね。早くも今年は半分が終わってしまいました。上半期の予定は全て終わったでしょうか?
さて、明日から7月。気象に関しては新たなスタートの月となりそうです。
7月7日(七夕)、いよいよひまわり8号の運用が開始されます。
これまで度々台風の目の様子などの画像が公開されてきました。映像を見たことをある人なら思わず歓声を上げてしまいたくなるくらいの明瞭さ。いよいよ全面的に公開されることになります。
どのように公開されるのか、まだわかりませんが、今の気象庁HPの衛星画像の場所で公開されるのではと想像しています。
今までの衛星画像は、30分間隔でしたが、これからは日本付近は2.5分毎と圧倒的に短い時間で捉えることになります。
さらに分解能も向上します。より細かく雲を見ることができるようになるわけです。
そして、何と言っても革新的なのはカラー画像となることでしょうか。実は今までの画像は、着色した陸地の画像に雲画像を重ねただけだったのですね。雲は完全に白黒でその濃さの違いからいろいろ判断するしかありませんでした。これでは空中に浮かぶものを物質毎(雲と雲以外のもの)に区別することは基本的にはできませんでした。それに対してカラーとなることで、雲と雲以外の物質を見分けることができるようになります。
例えば、局地的雷雨(ゲリラ雷雨)は1時間程度しか続かない上、とても小さい現象(規模という意味で。もちろん被害の大きさという意味ではない。)なので、今までの撮影間隔、分解能では映らないものもありました。しかし、これからはこれら小さい現象も良く観察できるようになり、より早期に積乱雲の発生を感知、防災につなげることができます。
結局衛星は雲を写すものなので雲がなければ意味がないといえば意味がないですね。7月7日は雨の特異日。その意味で、この日を選んだのは日本付近が雲に覆われる可能性が高いと考えているからでしょうか?
さて、気象技術はこのように日々進歩しています。しかし、これらは全て人間が天気予報を作る上での資料にすぎません。いくらいいデータがあっても使い方を誤れば意味がありません。いい本を買っても置いとくだけではなんのためにもならないのと同じです。(たとえビミョー)それをどう活用していくかは人間次第、気象予報士次第といえます。観測技術の向上に私たち気象予報士も追いついていけるよう、努めていきたいと思います。