気象予報士試験は年2回、1月末と8月末に実施されています。
今年も8月末に第44回試験が行われる予定です。

さて、受験を希望される方は当然過去問を解いていくことでしょう。
過去問の解説が、"気象予報士受験応援団"というサイトで第37回以降の試験について詳しく解説されていますので、活用されることをお勧めします。

では、この記事は何かというと、問題の解説をするのではなく、実技試験の問題に出題された事例がどのようなものなのかを見ることを目的としたいと思います。あくまでも補助資料として活用していただければと思います。

◎第42回実技試験第1問
この事例は、2012年7月13日〜7月14日の事例です。
7月13日12時から7月14日12時までの地上天気図は以下のようになっていました。
試験では7月13日21時の天気図が採用されていました。
気象庁が毎月発表している1ヶ月ごとの日々の天気図によると、
7月13日 梅雨前線が本州付近に停滞。九州〜中国は雨、鹿児島県霧島市清辺で101mm/1hと観測史上1位を記録する猛烈な雨、210.5mm/3hも記録更新。九州各地で猛烈及び非常に激しい雨。
7月14日 梅雨前線に流れ込んだ非常に湿った気流の影響で大気の状態が非常に不安定となり九州北部で猛烈な雨。福岡県八女市黒木では486mm/24h。神奈川県山北町丹沢湖でも104.5mm/1hの雨。

この年の九州の梅雨明けは7月23日ということで梅雨末期の大雨になったのでしょうか。



◎第42回実技試験第2問
この事例は、2013年11月24日〜11月25日にかけての事例です。
11月24日3時から11月25日21時の地上天気図は以下のようになっていました。
試験では11月24日9時の天気図が採用されていました。



日本海を発達しながら低気圧が通過していく様が地上天気図の推移でよくわかりますね。典型的な温帯低気圧の一生と言えるでしょうか。とても試験問題的な気がします。

気象庁が毎月発表している1ヶ月ごとの日々の天気図によると、
11月24日 全国的に晴れて西日本で朝の冷え込み強まる。鹿児島県奄美市笠利の最低気温9.3℃は11月として最低記録。徳島市・神戸市でカエデ紅葉。佐賀市・東京都千代田区でイチョウ黄葉。
11月25日
寒冷前線が東進。前線の東側では南寄りの風が強まり、西〜東日本の所々で暴風となった他、沖縄〜関東の広い範囲で竜巻注意情報を発表。室戸岬で最大瞬間風速33m/s。
日本海の低気圧は24時間に最大28hPaも気圧が下がっていますから立派な爆弾低気圧と言えますね。11月は本来は雨の少ない時期ですが、この低気圧の影響で各地激しい雨と風に見舞われたようです。こういうような状況を以下に正確に把握して予測できるかというのが気象予報士に問われることなのでしょう。