生徒 「7月最終日。朝から暑くなっていますね。家の中で座っているだけでも汗がダラダラ。」

アウル教授 「今朝も気温が朝から高く、午前9時現在、関東、東海、近畿を中心に軒並み30℃超えとなっておる。」


アウル教授 「地上の高気圧は沖縄あたりとほとんど変わっておらん。日本付近は今日も暖かく湿った空気が流れ込む予想じゃ。」

生徒 「すると午後以降はまた雷雨の可能性がありますね。」

アウル教授 「地上付近の高気圧だけを見ればそう考えたいが、もう一つ、上空の高気圧を考えねばならない。雲の発生には、雲の材料となる水蒸気と、上昇気流が必要なのじゃ。上空に高気圧があると、この上昇気流を抑えるように下降気流ができてしまうから、雲はできにくくなるのじゃ。」

生徒 「なるほど。で、上空の高気圧はどのような状況なのですか?」

アウル教授 「西日本付近に中心がある。つまり、西日本は今日は雲が比較的できにくい予想じゃ。一方で、東日本は上空の高気圧が西日本に比べれば弱く、雲も比較的できやすい予想じゃ。」

生徒 「西日本は、暖かい空気は入っても雲ができにくいんですね。」

アウル教授 「雲は雨をもたらすだけでなく、日差しを遮ってもくれる。雲ができないということは、日差しが強く気温がぐんぐん上がっていくことを意味する。」

生徒 「あらら…どうりで暑いわけだ。」

アウル教授 「さて、今度は北日本方面を見てみよう。地上天気図では、大陸に高気圧、北海道の遥東の海上に高気圧と、北日本は2つの高気圧の境に位置しておる。いわゆる気圧の谷の中で、3つの低気圧が縦に並んでおるのがわかるじゃろう。今日はこの低気圧の影響で、雲が広がりやすい予想じゃ。また、上空には寒気が入って来る為、大気の状態が不安定で、雷を伴った激しい雨の恐れもある。」

図1 午前9時発表の天気予報

アウル教授 「午後以降も雲のなかなか出てこない西日本を中心に各地で猛暑日予想が出ておる。名古屋に至っては38℃まで上がる予想じゃ。日中の昇温によって長野県あたりには弱い低気圧ができやすい。この為名古屋付近は北よりの風となる。名古屋の北よりの風はフェーン現象をもたらし、日差しによる昇温に拍車をかけることとなるのじゃ。まあ、38℃とまではならないものの各地で35℃を超える予想。35℃を超えれば36℃だろうが38℃だろうが、熱中症のリスクはかなり高い。最大級の予防が必要じゃ。」

(画像は全て気象庁HPより)