生徒 「昨日から北海道では激しい雨が降っているところがありますね。」

アウル教授 「このような不安定な天気をもたらしているのは上空の寒気じゃ。そして、それを示しているのは、下の地上天気図で北海道の西にある小さな低気圧じゃ。地上天気図ではほとんど発達していない低気圧じゃが、上空では非常に強い低気圧となっておる。脳ある鷹は爪隠すではないが、小さな低気圧と言って侮ることはできんのじゃ。」

図1 午前6時の地上天気図


生徒 「北海道は寒冷渦の東側。さらに前線もありますね。」

アウル教授 「そして、関東の南の台風14号の東や、日本の東の高気圧の縁を通って、北海道には南風の暖湿流が入って、雨雲の材料は十分にある。発達した雲ができて激しい雨を降らせておる。北海道には竜巻注意情報が発表されている地域もあり、落雷や突風にも注意が必要じゃ。」

生徒 「寒冷渦の影響は東日本にも影響しますか?」

アウル教授 「寒冷渦による寒気の影響は広く、関東を含め東日本上空の気温も普段より低くなっておる。それに加えて、台風からの暖かく湿った空気、日中の気温上昇に寄って大気は不安定となりそうじゃ。短時間で発達した雨雲ができて、雷雨をもたらすこともある。雷の音が聞こえたり、雲が広がってきたときは十分注意してほしい。」

生徒 「西日本は結局昨日も山沿いを中心に雷雲が発達しましたが、今日はどうでしょうか?」

アウル教授 「今日の西日本は実は昨日以上に安定となる予想じゃ。今日も北よりの風が吹くため、一番必要な水蒸気が少ない。いくら上昇気流があっても水分がなければ発達した雲はできない。昨日は内陸部を中心に発達した雲ができたが、今日はそのような予想も目先6時間の午後3時頃までは発生する予想が出ておらん。ただ、狭い範囲で発達した雨雲は短時間で発達し短時間で消滅するため、予想に表れにくい。局地的な短時間強雨は今日もあるかもしれないので東日本同様、怪しい雲が広がったときは注意してほしい。」

図2 午前7時発表の天気予報

アウル教授 「天気の急変はセミが知らせてくれることもある。セミは気温や雨などに敏感に反応する。暑くなった日中は鳴き止むことから、晴れているときはセミが鳴き止んだら暑くなってきたという目安になるじゃろう。また、雨が降りそうなときでも、一度鳴き止んだセミが再び鳴き出したときは天気が回復してくることが多い。」

(画像は全て気象庁HPより)