この記事は8月24日16時時点の情報をもとに作成しています。

いつもより長い記事になっています。より多くの情報から集めてきたためです。一応目次っぽいものを作っておくので、自分で正しい情報をもう得ているという方は飛ばしてください。
①午後3時時点の情報
②午後4時時点での雨風の様子
③明日正午までの予想進路と上陸に関して
④明日以降の予想進路
⑤高潮予想
⑥地域ごとの予想

    

台風15号は沖縄本島にこの時間最接近しています。 

まずは最新の情報から見ていきましょう。

①午後3時時点の情報です。
台風15号

(この図は24日午後4時の推定位置)
称号 非常に強い
位置 沖永良部島の西北西140km
速度 北東へ40km/h
中心気圧 940hPa
中心付近の最大風速 50m/s
最大瞬間風速 70m/s
暴風域の半径 110km(南東側130km、北西側90km)
強風域の半径 335km(南東側390km、北西側280km)

台風15号ですが、昨日の朝までに950hPaまで一旦勢力を落としたのですが、昨日の夕方以降再び発達し940hPaになっています。一度950hPaにまで勢力を落とした理由についてはわかりませんが、下の海水温の分布図では、台風が勢力を維持すると言われている27℃以上の海域が、東シナ海広く分布し、一部は暖流の対馬海流に乗って山陰まで流れ込んでいるのがわかります。このことから、台風は勢力を落としにくい状況と言えます。気象庁発表の今後の勢力予想もこのままの勢力をほとんど維持すると予想となっています。

図 8月23日の海水温分布図


②台風周辺の雨雲の様子などを見てみましょう。

図 午後4時時点の雨雲レーダーとアメダス(風)

雨雲レーダーによると、おもに台風の南側に発達した雨雲があって、沖縄本島地方にかかっているのがわかります。沖縄本島の西側の島々では時間雨量が20mm以上の強い雨が観測されました。解析雨量によると、この後も今夜にかけて奄美地方で20mm/h程度の強い雨が降り続く予想となっているので、大雨に注意が必要です。また、台風周辺の湿った空気が流れ込む影響で九州を中心に台風から離れているものの雨雲ができているようです。それほど強い雨は今の所かかっていないようですが、この後の台風本体の雨雲による雨量と合わせると総雨量が多くなるということも考えられます。土砂災害への警戒も必要かと思います。
風の状況はアメダスの図を見てみましょう。南西諸島では強い南風が吹き、所によっては25m/s以上の暴風が観測されています。一方、台風が接近してきている宮古島ではここ数時間でようやく風が強くなってきたというくらいです。この図にはありませんが、宮古島八重山地方など台風が離れてきている地域ではだいぶ風は弱まってきているようです。今の所台風の暴風域、強風域共に小さめですので、風に関しては、接近に際して急激に強まり、離れていくと急激に治まってくる傾向がありそうです。これも今回の台風の特徴と言えるかと思うのですが、台風15号は位置からして 速度が早めです。後の予想進路を見てもらえればわかることですが、明日の正午にはもう日本海へ抜けているという予想が出るくらいです。南西諸島のアメダスなどを見ていると強い風が吹いている時間帯自体は短い気がします。とはいうものの、この後台風は九州方面へ向かっていく予想ですが、予想通りの進路を進むとこの沖縄にしろ九州にしろ、広い範囲は台風の進行方向右側に入る予想となっています。台風の進行方向右側は風がより強く吹く傾向があります。台風の移動速度が早ければ早いほど風速もおおきくなりますので、台風が最接近する時間帯を中心に暴風への警戒が必要になります。


③この後の進路予想。まずは目先24時間先までに注目してみましょう。


予報円の中心を結ぶ線を今は考えることにします。線上の小さい白点は今日の午後6時から明日の午後3時までの3時間ごとの位置を表しています。この点から考えると、奄美地方へは今夜最接近、九州南部は明日の朝最接近、そして、その後は九州の西の海上を北上し、明日午前中に長崎県あたりへ上陸する予想となっています。(確か台風12号も長崎県へ上陸しましたね。)
明日の午後3時時点での予想中心気圧が970hPaとなっています。数時間前の情報ですが、正午時点での予想中心気圧は955hPaとなっていました。台風は上陸すると勢力を落とすのが普通ですから、上陸時の勢力はこれよりもやや強い勢力になる恐れがあります。上陸する台風としては非常に強い部類に入ることになりそうです。


④日本海に抜けた後の台風はどのように進んでいくのでしょうか?いつものように北日本方面へと進んでいくのでしょうか?

気象庁
米軍

程度の差こそあれ、ほぼ同じです。米軍発表の予想進路は気象庁発表の予想進路よりも若干西寄りコースですが、気象庁発表の予報円の中には収まっているので進路の傾向を見るには十分でしょう。
今回の台風は珍しく、日本海に出た後はそのまま北上し、大陸へと進んでいく予想です。いつもなら日本会上空は強い偏西風が吹いているため、東へ流されて北日本へ接近するという感じなのですが、今は、日本海上空の偏西風が弱まっているため、北日本へ流すだけの力がないためと考えられます。ということで、北日本では今回の台風15号による大きな影響はあまりなさそうという予想です。週間天気でも雨マークは見られません。

⑤さて、海上の話をしましょう。
台風の東側に入る時、そこは強い南風が吹いています。南向きに開いた湾などでは高潮被害が起きることがあります。高潮被害は、まず台風などの低気圧によって中心気圧が低いことから海水面が全体的に上昇します(吸い上げ効果)。そして、強い風によって波が発生し、堤防を乗り越えることで発生します(吹き寄せ効果)。さらに、月の満ち欠けによる潮汐の影響で被害が拡大することがあります。有名なのが伊勢湾台風ですね。台風進行方向の東側で強い南風が吹くこと、日本には南向きに開いた湾が多いことから、台風の東側に入った場合は高潮被害を意識しましょう。台風の中心に近い場合は台風の西側でも風が強くなります。北向きに開いた湾では高潮の恐れは十分ありますので南向きの湾でないからといって油断はやめましょう。今回の台風の予想進路からすると、例えば鹿児島湾や有明海が気になりますね。また、四国や瀬戸内側でも南風が強く吹くと高潮が懸念されます。
各地の満潮時刻は下の表の通りです。
満潮時刻はただでさえ海水面が高くなっています。ここに台風が接近すると、さらに吸い上げ効果で高くなり、吹き寄せ効果で堤防を乗り越えてしまう恐れが高くなります。海岸線付近にお住いの方は浸水被害に注意しましょう。

地点名 8月24日 8月25日
鹿児島 15:11 2:00
16:24 
熊本  16:02  3:55
17:37 
長崎  15:55  3:07
17:14 
別府 16:18  3:01
17:36 
広島 17:08  4:36
18:33
上の表の地点はごく一部です。あくまでも傾向を見るためだけです。まず、今回で注意する時間帯は明日の1回目の満潮です。明日の朝ということで、九州北部や中国地方はまだ台風から遠いかもしれません。九州南部特に鹿児島県は台風最接近の時間に近くなっています。
このほかの地域でも、気象庁から高潮注意報が発表された時は高潮への意識をするようにしましょう。

また、これとは別に海上では高波となります。すでに南西諸島の海域には海上台風警報を始め警報が出ています。これらの警報は、普段は陸地で生活している方は聞きなれない警報です。陸地で過ごされる方は意識の必要がない警報ですが、海上航行を予定されている方はしっかり情報を確認するようにしましょう。どうしても航行しなければならない場合を除き、警報が出ている間の航行はやめましょう。(船舶に関しては詳しくないのでわかりませんが、警報が出ている場合は出航できないとかあるのかな?)


⑥最後に各地域ごとで雨風などがどの程度なのかを見てみましょう。この表は、台風15号に関する情報(第82号)の情報をもとに作成しています。

地域 最大風速
 (最大瞬間風速)
波の高さ 雨量
(25日正午まで)
その他
沖縄  40m/s (60m/s) 12m 200mm
奄美 28m/s (40m/s) 12m 150mm
九州南部  40m/s (60m/s) 12m 200mm
九州北部 40m/s (60m/s) 9m 200mm
四国 発表なし 7m 200mm
近畿 発表なし 6m 100mm

西日本各地に雨風の予想が出ていますが、東日本に関しても南風によって湿った空気が入る影響で雲が広がりやすく、雨が降りやすい予想が出ています。関東なども明後日明々後日に雨マークが付いています。


私が書いている時点での最新の情報を集めましたが、それでも時事刻々と古い情報になっていきます。大まかな台風位置などに変化はあまりないと思いますが、局地的な大雨や暴風などは最新の情報をチェックして、今自分のいる場所にどのような気象警報、注意報、気象情報が発表されているのかということを、できれば気象庁HPで確認するようにしてください。
なお、気象庁は各地の雨風波などに関する地域ごとの予想をおおむね5時、11時、17時、23時に発表しています。(下記リンクより閲覧可能)