この記事は9月8日17時時点の情報をもとに作成しています。

いつもより長い記事になっています。より多くの情報から集めてきたためです。一応目次っぽいものを作っておくので、自分で正しい情報をもう得ているという方は飛ばしてください。
①午後3時時点の情報
②午後5時時点での雨の様子
③米軍の進路予想
④高潮予想
⑤地域ごとの予想
⑥最後に
    

ご存知の通り、つい2、3日前に日本近海で発生した台風が、早くも明日本州へ上陸する予想が出ています。

まずは最新の情報から見ていきましょう。

①午後3時時点の情報です。
台風18号

称号
位置 父島の西北西460km
速度 北へ30km/h
中心気圧 990hPa
中心付近の最大風速 23m/s
最大瞬間風速 30m/s
暴風域の半径
強風域の半径 250km(北東側330km、南西側170km)

台風18号ですが、昨日までにはなかった暴風警戒域がかかれています。現時点では暴風域はないので、現段階ではまだ発達段階にあると言えます。明日午前3時の予想中心気圧が980hPaで、その後明日の午後3時には予報円の中心は福井県に達しています。予報円の中心を通った場合は三重県に昼前から昼過ぎに上陸すると読み取れます。(もちろん予報円は70%の確率で中心が入る地域ですので、予報円から外れる可能性も残っています。また、予報円内でのブレで三重県以外に愛知県に上陸する可能性もあります。あくまでも予報円の中心を通る線を通って行くと仮定した場合の話です。)

さて、今回は日本の近くで発生した台風であるため発達に十分な時間がないままの上陸となりそうです。少し難しい話ですが風とは結局は気圧差によって発生するもの。簡単に言えば等圧線が混み合えば混み合うほど強く吹くもの。今回のようなそれほど発達していない台風は等圧線の混み合いもそれほど大きくありません。これは風は今回は心配ないと言っているわけではありません。しかし、どちらかというと今回は風台風より雨台風、大雨への警戒が大切になる台風と言えそうです。それはこの記事の最後の表からも言えることです。


②台風周辺の雨雲の様子などを見てみましょう。

図 午後5時時点の雨雲レーダー
図 午後3時の地上天気図

まだ台風本体の丸い雨雲は見えていませんが、本州太平洋沿岸には秋雨前線が停滞していて、これに向かって台風からの湿った空気が流れ込むため次々と雨雲が発生する、前線の活動が活発になっています。その影響で近畿から関東にかけてすでに強い雨が降り始めており、気象警報が出されている地域も多くなってきています。地上天気図で北陸から秋田沖に気圧の谷があってこれにより雨雲が北へと広がっているというのは今朝の記事の通りです。
しかし、この雨はあくまでも台風の先行雨にすぎません。台風本体の雨雲はまだどこにもかかっておらず、これからやってくるものです。すでに関東から東海の太平洋側を中心に雨量が多くなり、土壌中の雨量も多くなって土砂災害の危険性が高くなってきていますが、残念ながらこの後も雨が続きそうです。今後雨が降り続くことで土砂災害警戒情報や避難情報などが発表される地域が出てくることでしょうが、自分の住んでいる地域が今どのような情報(警報や避難情報など)が発表されているかを知ることが大切です。前線と台風のコラボの恐ろしさがそのまま現れてしまっていると言えます。

③せっかくですから上陸地点などについて気象庁以外の気象機関、ここでは米軍の予想も載せておきましょう。

気象庁とほぼ同じ進路予想ですね。
以上(笑)

④さて、海上の話をしましょう。
今回は気象庁発表の気象情報によると台風接近時に注意が必要な高潮に対する警戒は触れられていませんでした。中心気圧が弱く風がそれほど強くないと予想しているからでしょうか?それでも海沿いにお住いの方が意識しておくに越したことはないので、一応各地(代表地)の満潮時刻 をまとめておきます。
一方で高波に関してはある程度の警戒が必要そうです。東海沖には海上暴風警報が出されていますし、関東沖や四国沖も海上強風警報が出されています。海上◯◯警報というのは主に船舶関係者や海岸付近で作業をされる方への警報で陸地で生活している方にはあまり関係ない警報です。陸地にお住いの方は一般的な気象警報に注意してください。まさかこんな荒天時にサーフィンをしたり海水いくをするような方はいないと信じています。

地点名 9月8日 9月9日
東京              15:08 1:45
15:39 
神津島 15:30 1:59
16:02
焼津 15:21  2:06
15:57
名古屋 15:37  3:06
16:18 
尾鷲 15:37 2:30
16:14

台風の東に入る恐れがある地点のみあげました。

⑤最後に各地域ごとで雨風などがどの程度なのかを見てみましょう。この表は、台風18号に関する情報(第13号)の情報をもとに作成しています。

地域 最大風速
 (最大瞬間風速)
波の高さ 雨量
(9日18時まで)
雨量(9日18時から10日18時)
九州北部 発表なし 4m 発表なし 発表なし
中国 20m/s
(30m/s)
5m 120mm 100〜150mm
四国 発表なし 発表なし 100mm 発表なし
近畿 20m/s (30m/s) 6m 300mm 発表なし
東海 25m/s
(35m/s)
7m 350mm 100〜200mm
北陸 20m/s
(30m/s)
発表なし 150mm 発表なし
関東甲信 発表なし 5m 300mm 100〜200mm
伊豆諸島 発表なし 6m 200mm 発表なし
東北 発表なし 4m 150mm 100〜150mm

この表を見ても風の強さより雨の多さの方が目立つ気がします。20m/s以上の暴風の範囲も台風が通過すると思われる東海、近畿、北陸が中心で、台風の進行方向右側に入る関東でも風速20m/s以上は予想されていません。また、前回の台風15号では波の高さは12mなどという予想地域もありましたが、それに比べれば低い予想です。ただ、雨に関しては秋雨前線が絡んでしまう影響で台風が完全に通過するまでに多いところでは500mm以上の大雨となる可能性も出ています。 これに関しては台風から離れた関東でも予想されていることなのでやはり雨への警戒はかなりしておいた方が良さそうです。

⑥明日は平日ということで学校関係はともかく、社会人の方は出勤せざるを得ない状況でしょう。交通機関が乱れる可能性もあります。時間にゆとりを持って、家を出る前に交通状況を確かめて混雑に巻き込まれないようにすることも大切です。大雨も予想されます。頑丈な傘か、折りたたみなら壊れた時のことを考えて予備を持っておくと安心かもしれませんね。また濡れた時のことを考えてタオルや着替えがあるといいかもしれません。秋に向かい、気温も下がってきていますから、少し濡れるだけで肌寒くなったり風を引いてしまう恐れもありますのでお気をつけください。


さて、最後に今回は比較的小さな台風ですし、油断しておられる方も多いのではないかと思います。しかし、すでに大雨は始まっていますし、今後雨量が増えることでますます土砂災害の危険性が高まってきます。昔は台風の表現として"弱い"などという表現があったそうですが廃止されています。このような表現は人々の油断を誘うからです。災害とは人々の油断につけこんで起きるものかもしれません。というのは、たとえ災害が起きてもしっかりと備えている場所ではそれほど大きな被害が起きないからです。
不要な外出を控える、川のそばに近づかない、夜は上の階で寝る、こういうことを意識するだけでも災害によって命を落とす可能性は低くなってくると思います。

私が書いている時点での最新の情報を集めましたが、それでも時事刻々と古い情報になっていきます。大まかな台風位置などに変化はあまりないと思いますが、局地的な大雨や暴風などは最新の情報をチェックして、今自分のいる場所にどのような気象警報、注意報、気象情報が発表されているのかということを、できれば気象庁HPで確認するようにしてください。
なお、気象庁は各地の雨風波などに関する地域ごとの予想をおおむね5時、11時、17時、23時に発表しています。(下記リンクより閲覧可能)