新しいコーナー、「天気図大賞」です。
今年8月に、集めている速報天気図が1万枚を超え私の手元には過去4年分のさまざまな天気図があります。天気図は1日1日、もっと言えば3時間ごとの一枚一枚でさえ表情が変わるとても面白いもの。1万枚の天気図全てが一枚として同じものはありません。
天気図はよく地図に例えられます。事実、高層天気図では地図と同じように等高線という言葉を使いますし、気圧の谷や気圧の尾根などいわば空気の地図と言えるでしょう。登山好きの方はきっと地図を見るのが好きなはず。天気好きの人は天気図を見るのが大好き。天気図は毎日変わります。その意味で毎日新しい登山をしているようなもの。そこで見つけた珍しいもの、ぜひ共有していきたい。

そんな思いで、私が勝手に珍しいなと思った天気図を紹介していきます。題して、「天気図大賞」(ノミネート?)

記念すべき(?)第1回目は、この時期らしい天気図から。
晩秋のこの季節は、夏の空気もあれば秋の空気もあり、冬の空気もある。3つの空気によって多様な天気図がもたらされます。台風ありーの移動性高気圧ありーの冬型ありーのと天気図豊作の季節。
その中でも私の目をまず驚かせたのは、、、

2014年11月8日15時の天気図です。


えーっと、南に発達した台風があって…

いえいえ、違います。失礼。天気図が逆です。


発達した台風と思われた低気圧は実は日本よりもずっと北にあった低気圧だったんですね。北海道より北で発達した低気圧ができることはよくあることですが、それでも940hPaまで下がればかなりのもの。それをはるかに超える低気圧でした。

さて、なんでここまで発達したのかというのも気になりますよね。この低気圧は台風20号から変わった低気圧からのびる前線上でできました。台風が連れてきた南の暖かい空気が冬の空気にぶつかることでここまで発達することができたのでしょう。この1日前、つまりは7日15時の時点では980hPaの低気圧でしたから、24時間で-60hPa。まさに、"びっくりポン"ですね(笑)

ということで天気図大賞1作品目は
"台風以上に発達した爆弾低気圧"
でした。