生徒 「今年も大晦日となり、もうすぐ新年を迎えますね。今年一年振り返ってみていかがでしたか?」

アウル教授 「私は、良い一年を送れたと思う。まあ、年末に大きく体調を崩してしまったがのう。」

生徒 「今年最後の講義ということで今日は今日だけでなく、明日明後日と正月の天気をお願いします。初詣や初日の出など天気も気になる時期です。」

アウル教授 「少し長くなっていくが、一日ずつ見ていこう。まずは今日の天気からじゃ。」

12月31日(大晦日)

図1 午前9時の地上天気図

図2 正午前の雨雲レーダー

生徒 「北陸に低気圧が一つ、東海沖に低気圧が一つありますね。それに伴う雨雲がそれぞれ、日本海側と関東沿岸にあって、北陸地方沿岸では活発な落雷も検知されているようですね。また、南西諸島でも雨雲が散在しているという状況ですね。日本付近は北海道から沖縄まで気圧の谷の中とも言えそうですね。」

アウル教授 「そうじゃのう。ただ、地上付近では明瞭な高気圧に覆われていたり、低気圧の中ということでもない。こういうときは上空の気圧の谷、つまりは上空の寒気などの影響を受けやすい。上空の気圧の谷は今朝の時点で北海道の西から九州上空に伸びておる。このために日本海側を中心に大気の状態が不安定となっており、低気圧周辺で雨、その他の地域で雲が広がっておる。」

生徒 「九州北部は低気圧から離れているように感じますが、雨が降っているのですね。」

アウル教授 「九州北部は低気圧から離れておるが、低気圧の西で、大陸の高気圧の東ということでここで小さな冬型となっておるのじゃ。このために日本海側で雨が降っているという状況で、北陸の低気圧本体とは別物と思われる。低気圧周辺の雨雲に比べれば弱い雨雲であまり雷も発生していないようじゃ。」

生徒 「ただ、雷注意報が広く発表されているので、このあとも急な強い雨や雪に注意が必要ですね。」

アウル教授 「特に北陸沖の低気圧周辺で強い雷が検知されておる。これらの気圧の谷は、今日日中、日本上空を東へ進んでいく。今日は太平洋側を含め雲の多い時間帯や、場合によっては雨のおそれがある。ただ、専門的な話になるのじゃが、上空の気圧の谷と地上の低気圧が重なると低気圧の発達は止まったり、消滅していくことが多く、今回もその傾向にある。つまりは北陸沖の低気圧は今後発達することなく消滅していく予想ということじゃ。これに伴い強い雷というのも縮小傾向と言えるじゃろう。ただ、九州ですでに冬型となってきているように、西から冬型が拡大してくる。このために、日本海側での雨は続く予想じゃ。」

生徒 「東海沖の低気圧の動向が心配ですね。」

アウル教授 「確かに、関東に近い低気圧ということで、関東の天気に影響があるのか気になるところじゃ。結論から言うと、関東南部を中心に影響を受ける可能性がある。天気分布予報によると、今夜遅くにかけて、関東南部の一部で雨が降るおそれがある。この低気圧は今後発達し、明日にかけて弱い冬型をもたらす。この影響で小笠原諸島を始め海上では波が高くなる予想じゃ。」

図3 今夜の予想天気図

生徒 「北陸沖の低気圧は消滅していますが、関東沖の低気圧は前線を伴って発達していますね。確かに気圧配置も西高東低ですね。」

アウル教授 「この続きは後の1月1日の天気で見ていこう。」

生徒 「南西諸島の雨についてまだでしたね。」

アウル教授 「南西諸島は大陸の高気圧の南縁となっておって、等圧線も比較的混んでおる。湿った空気が入るために雨雲が発生しやすくなっておるのじゃ。今日いっぱいこの状況が続くため、雨が降りやすい。同時に強風や高波にも注意が必要じゃ。」

図4 今日の天気

アウル教授 「ということでひとまず今日のところは、日本海側と南西諸島、夜は関東南部で雨が降りやすくなる。(天気マークには現れていませんが、天気分布予報で雨が予想されています)。日本海側の雨雪は一時的に降り方が強まったり、雷を伴うおそれもあるので注意が必要じゃ。その他の地域でも上空の気圧の谷が通過するために雲の広がる時間帯もあるという予想じゃ。気温は平年並みの予想じゃ。」



1月1日(元日)

生徒 「さて、明日は朝の天気から気になるところです。早い人では夜暗いうちから初詣に出かける方もいれば、初日の出を見に行かれる方もいるということで、朝の天気が特に気になります。」

アウル教授 「それではまずは、今晩から明日の朝にかけての流れを整理しておこう。」

図5 明日朝の予想天気図

生徒 「今夜は全国的に冬型と思われましたが、明日の朝には西日本は高気圧に覆われてくるのですね。」

アウル教授 「北日本を中心に冬型が残り、日本海側を中心に引き続き雨や雪が降りやすい予想じゃが、西日本、東日本は冬型が緩み、日本海側の雨雲は取れてくる予想じゃ。関東沖の低気圧も離れるので、関東の雨も止む予想じゃ。冬型と言ってもそこまで強くはなく、等圧線も比較的開いていることから、風はそこまで強くならない予想じゃ。ただ、冬型が緩んでも日本海側の雲がすぐに取れるかと言ったら、そうではなさそうで、雨は止んでも雲はなかなか思うようには取れてくれなさそうじゃ。」

図6 明日朝の天気分布予報。3時〜6時(上)、6時〜9時(下)

生徒 「太平洋側の地域では晴れる地域が多そうですが、日本海側の地域は雨は止んでも曇り予想が多いですね。」

アウル教授 「ただ、東の空さえ晴れていれば初日の出は拝めるので、雨が止んでいる地域ではチャンスはあるかもしれん。曇り=全天雲に覆われる、訳ではないからのう。その意味で、来年は初日の出の期待が高まるのう。そうはいうものの、冬型の残る北日本日本海側は雪や曇りのためにかなり厳しそうじゃ。」

生徒 「えーっと、手元の資料によると、明日の日の出時刻は、札幌で7:05、仙台で6:53、東京で6:50、名古屋で7:00、大阪で7:04、福岡で7:22、那覇で7:16ですね。」

アウル教授 「北に行けば行くほど(夜の時間が長く)、西へ行けば行くほど(太陽は東からやってくるので)日の出時刻は遅くなる。逆に言えば南東に行けば行くほど日の出は早く、南鳥島では5:32、さらに、標高が高ければ高いほど早く(地上ではまだ地平線の下でも、上空に行けば見える)、富士山頂では6:53のようじゃ。」

生徒 「初詣に関してはどうでしょうか?早い方なら日付が変わる前後、除夜の鐘を聞きながらという方もいらっしゃいますよね。」

図7 明日未明の天気分布予報

アウル教授 「日付が変わる頃はまだ北陸や近畿日本海側などで雨が降っている予想じゃ。これらの地域で初詣に行かれる方は、傘が必要かもしれん。ただ、範囲は今日日中に比べれば狭くなっておる。」

生徒 「明日日中はどんな一日となりそうですか?」

アウル教授 「結論から言うと、全国的に穏やかに晴れる予想で、2016年スタートの1日としては素晴らしい天気となりそうじゃ。」

図8 明日夜の予想天気図

生徒 「明日夜になると西日本から東日本が移動性高気圧に覆われてまるで春のような天気図ですね。」

アウル教授 「文字どおり迎春となりそうじゃ。北日本の等圧線も広めで風もそれほど強くならない予想じゃ。また、南西諸島も高気圧に覆われるため、南西諸島に分布している雨雲も明日は無くなってくる予想じゃ。注意することとしては、今日関東沖を発達して通っていく低気圧の影響で、小笠原諸島ではまだ波の高い状態が続く程度じゃ。」

図9 明日の天気予報

アウル教授 「日本海側を中心に雪マークがついておるが、午後以降は雨雲が狭まって、明日夜にはすっかり無くなる予想じゃ。気温も平年より2、3℃高い地域が多い予想で、いつもよりも暖かい元日となりそうじゃ。」

生徒 「♫お正月には凧あげて、コマを回して遊びましょう♫ 明日は凧揚げも寒くなさそうですね。」

アウル教授 「と言っても札幌は真冬日予想じゃがな…」



1月2日

生徒 「元日は晴れることがわかりました。でも、元日はゆっくりしたいですよね。お出かけとかはやっぱり2日以降。1月2日はどんな天気になりますか?」

アウル教授 「北日本を中心に雨が降りやすい天気となる予想じゃ。この時期北日本の雨は冬型の時に降りやすいが、今回は冬型として降る訳ではなく、低気圧や気圧の谷が通過するための雨であるから、太平洋側でも雨が降るし、寒気が入る訳ではないので本州では雨が主流となりそうじゃ。」

図10 明後日朝の予想天気図

アウル教授 「北陸より北で雨予想。その他の地域については、高気圧に覆われるというよりは高気圧の北縁に位置するため、雲の広がりやすい天気が予想されておる。」

図11 明後日1月2日の天気予報

アウル教授 「予報期間が延びていくと、今後細かい予報は変わっていく恐れもあるので最新の情報を確認して欲しいが、天気傾向としては変わらんじゃろう。」


アウル教授 「今年の講義はこれで終わりじゃ。」

生徒 「とか言いながら、始まりは今日の正午あたりでしたが、書き終わりは紅白が始まってしまっていますね。」

アウル教授 「まあまあ。今年一年長らく付き合ってきてくれてありがとう。また来年も天気分野でのますますの精進をしていきたいと思うので、よろしく頼むぞ。」

生徒 「はい。こちらこそ。」

アウル教授 「では、良いお年を。」

(画像は全て気象庁HPより)