アウル教授 「今日の解説記事について、どうやらあまり良くない解説をした部分があると思っておる。この反省から今日は始めたいと思う。今日は日本海を低気圧が進んでいくということであったが、その解説で、西から北風に変わっていくため雪の範囲が東へ広がっていくという解説をした。ただ、アメダスの実況を見ていくと風はほぼ西風のまま山陰から北陸へと雨雲が広がっていった。これは、里雪型の気圧配置ということがすっかり頭から離れ、日本海側の雪=北寄りの風の時という構図を勝手に作ってしまっていたためと思う。」


アウル教授 「衛星画像の雲の流れる向きを見ても山陰地方や北陸地方は西よりの風であったことがわかる。つまり、山陰地方では風は陸地に対して平行に近い向きに吹いていたのである。これは里雪型の特徴でもあって、普段は北風で内陸に運ばれる雨雲、雪雲が西風だと内陸まで行かずに平野部で降らせるため、平野部での降水が多くなる。これは今日のアメダス観測データからも言えることじゃ。」


アウル教授 「さらに、山陰に限らず、東日本や東北も今日日中は陸地に平行に近い形で風が吹いた。つまり、北陸地方は西〜南西の風、東北地方は南西〜南の風ということじゃ。この風の向きが雪雲の分布に重要となった。山陰地方のアメダスを見てみると、今日正午の時点で雨が降っているのは島根県中心で隣の鳥取県はほとんど雨が降っていないことがわかる。日本海側の雪雲は海のある方向からやってくる。山陰地方は西風であったが、島根県の西は海が広がるため雪雲はやってこれる。鳥取県の西は陸地である。(山陰地方の海岸線はよく見ると山口県から島根県にかけては真西方向ではなく、南西〜北東方向に伸びる海岸である)。同じことが他の地域でも言える。北陸や東北は南西よりの風であったが、各地域南西方向は陸地が多い。これにより今日日中は雨雲、雪雲の分布が少なかった。ただし、この中でも2箇所だけ雨雲にさらされたところがあった。それは能登半島と佐渡島だった。能登半島は日本海に突き出した形になっていて、南西の風でも南西方向は若狭湾という海が広がっているために雲が発生したのであろう。同様に佐渡島も南西方向は海である。」


アウル教授 「このように、能登半島だけに雨雲が広がって、それより東の北陸、東北には雨雲がかからないという状況ができたのだと考えられる。」

アウル教授 「夕方、夜にかけても風向きはあまり変わっていませんが、低気圧本体の雨雲が新潟や東北日本海側にかかってきているようです。低気圧から南にシアライン(前線みたいなもの)が伸びているので、雨雲の分布としては新潟から東北というやや長細い分布をしておるのだと思います。山陰の西風も変わっていないので山陰もまだ雨雲がかかっています。」

アウル教授 「西高東低は確かに雪の降りやすい天気ですが、雪の降りやすいところ、降りにくいところはもう少し詳しく見ていくべきでした。」


このつづきは明日未明の記事に。