■お天気メモ■
・日本海に低気圧がやってきた。湿った空気は沖縄から九州北部を経て日本海側に。湿った空気の通り道では大気の状態が不安定。
・沖縄は朝から、九州などは気温の上がる午後から雨が降りやすくなる予想。
・今日は日本海側のうち近畿から東北にかけて朝から雨が降りやすい。低気圧の西側でも雨雲が発生しやすく、風に乗って太平洋側へ流れ込むところも。
・日本海側ほど雷を伴った雨になる可能性あり。発雷確率は40%
・東北や北日本上空は寒気が残る。気温上昇と湿った空気のために北海道や太平洋側も次第に雨が降りやすい状態に。

生徒 「西日本方面で雨が降り出してきているようですね。」

アウル教授 「日本海には小さい低気圧が進んできた。特に上空に深い気圧の谷があるというわけではないが、動きが遅いので、雨が長く降ることになりそうじゃ。」

図1 25日夜の天気図

生徒 「今日もオホーツク海高気圧優勢ですね。」

アウル教授 「日本の東でオホーツク海高気圧優勢が居座っているため、全体的に低気圧や高気圧の流れが遅くなっておる。日本海に低気圧があるが、この状況は今日の朝も、夜も、明日の朝も続くという予想じゃ。」

図2 今後の予想天気図

図3 今日朝の500hPa予想天気図

生徒 「上空の寒気が抜けてきているところのようですね。」

アウル教授 「そうじゃのう。青い部分が上空の寒気に当たるわけじゃが、寒気としては西日本は抜けた。東日本と北日本は完全に抜けるまでにはもう少しかかりそうじゃ。この上空寒気と日本海の低気圧による湿った空気がマッチングすると、大気は不安定になる。もう一つ、この天気図で見ておきたいのは例のごとく5880m線じゃ。今日は九州だけということで九州上空はやや高気圧に覆われていて、それ以外上空は高気圧圏外ということになる。」

図4 今日朝の湿った空気予想

生徒 「これは湿った空気の予想ですね。随分と西から迂回して日本海に入っていますね。」

アウル教授 「今日本列島はオホーツク海高気圧に覆われておる。これも高気圧であるから湿った空気はその縁を通ることになる。具体的には沖縄あたりから東シナ海、九州北部、日本海というようなルートで湿った空気が入ってきていることがピンクの領域を見るとわかる。逆に太平洋側は青い領域に近く、湿った空気が直接は入っていないことになる。このために日本海側ほど雨が降りやすくなるのじゃ。」

生徒 「低気圧といえば東側でよく降って西側は天気が回復していることが多いですよね。」

アウル教授 「一般的にはこんな湿った空気の入り方をしていないからのう。(低気圧に向かっては真南から湿った空気が入ることが多い。)今回は低気圧の西側といえど湿った空気が入っておる。低気圧西側は本来乾燥した北寄りの風ではあるが、湿った空気にさらされるため例えば近畿北部などでは低気圧が能登半島あたりに進んでくる夕方もまだ雨が降っている予想じゃ。当然、低気圧の東側に当たる北陸や東北は日本海側を中心に雨が降りやすい。さらに、低気圧西側の北風に乗って雨雲は一部が太平洋側へと流れ込んで、太平洋側、例えば東海などではやや強い雨の可能性があるのじゃ。」

生徒 「湿った空気の通り道である沖縄にも雨雲がありますね。九州まで低気圧から離れると影響は少ないでしょうか。」

アウル教授 「沖縄は湿った空気が入りやすいために雨雲がちらほら見られるという状況じゃ。朝からこのような雨雲が通過して雨になる可能性がある。九州は先ほど見たように一応上空は高気圧じゃった。午前中を中心に安定した晴れになる。ただ、湿った空気もやや入る位置で、気温が上がる午後ほど雨雲が発生しやすい状況になる予想じゃ。午後からは雨の可能性があると考えておこう。まあ、夕立じゃのう。」

生徒 「関東などでは雨はどうでしょうか。」

アウル教授 「関東や東北太平洋側も日本海側からの雨雲の流れ込み次第じゃ。予想では朝から関東も北部を中心に広く雨が予想されておるが、現時点では降り方は弱い予想じゃ。と言うのも、先ほど湿った空気の流れを見たが関東などはやや乾燥した空気となっておる。関東部分で雨雲が湧いてくるというよりも日本海側から流れ込んでくることが雨を降らすメインなのじゃが関東周辺の山々は結構雨雲を弱めるからのう。冬場は東海と違ってほぼ雪雲が流れてこないほどじゃからのう。しかし、関東など東日本も爆弾は抱えておる。それは上空の寒気じゃ。この寒気と日中気温が上がってくると大気が不安定になる。そこに日本海側から雨雲が流れ込んだりすると、それが発達した雨雲になる可能性はある。雨雲レーダーなどで自分の近くに発達した雨雲が近づいてきていないか時々チェックする必要がある。北海道も内陸を中心に午後以降雨の予想が出ておる。こちらは低気圧からは離れておるので一般的な夕立と考えられる。が、やはり上空寒気があるのでその点注意したい。」

図5 夕方の天気分布予報

生徒 「こう見ると夕方はかなりの範囲が雨予想ですね。」

アウル教授 「今日は日本海の低気圧によるものと本来の夕立によるものが合わさったような夕方の分布となっておる。私なら全国どこにいても、傘を持って出かけたいと思う天気分布じゃ。発雷確率としては1日を通して高いところで40%程度じゃ。これを高いと見るか低いと見るか。」

図6 今日の天気予報

アウル教授 「この時期の天気マークは結構判断を惑わす。と言うのも夕立などは予想されていても降る時間帯が短いので傘マークとして現れにくいのじゃ。今まで見てきたように北海道や九州でも午後から傘が必要な可能性はある。気温は、関東などやや低めじゃのう。過ごしやすそうじゃ。午前中を中心に晴れる九州ほど気温は上がる。熱中症には今日も気をつけたい。」