■お天気メモ■
・北海道に低気圧と前線が接近。北海道を中心にまとまった雨に。今日は北海道で大雨の恐れ。
・北海道は大気不安定。落雷や突風にも注意。
・小笠原諸島は上空に低気圧があって大気の状態が不安定。天気図では描かれていなくても弱い低気圧が発生する予想。雨の降り方に注意。
・関東は昼前から晴れるところが出てくる予想。早ければ昼前にも梅雨明け発表?
・今日も内陸を中心に夕方は夕立の可能性あり。発雷確率はやや高めレベル。 

生徒 「やっぱり昨日の梅雨明け発表はなかったですね。」

アウル教授 「さすがにあの曇り空だとのう。梅雨明けですって言っても曇ってるじゃんって言われるからのう。昨日は梅雨明けしなくて正解だったと思う。さて、今日はどうだろうか。個人的には今日、梅雨明け発表しそうな気がする。」

図1 27日夜の天気図

生徒 「今日は関東で梅雨明けかななんていうのんきな話はできないですね。」

アウル教授 「そうじゃのう。今日は北海道でまとまった雨となって大雨になる可能性がある。予想雨量は今夜までに250mmとかなり多い。そんな大雨になるわけを見ていこう。」

生徒 「まずは何と言っても低気圧と前線が近づいてきましたね。」

アウル教授 「そうじゃのう。そしてこの低気圧は比較的ゆっくりと進んでおる。と言うのも行く手をオホーツク海高気圧に閉ざされておるからじゃ。北海道では等圧線も混んできておる。このゆっくりした低気圧によって長い間雨が降ることがまず大雨になる一つのポイントじゃ。」

生徒 「雨が降るためには湿った空気が必要でしたね。」

アウル教授 「そうじゃのう。それもうまい具合にたっぷり入っておった。数日前から沖縄から九州北部を経て日本海に流れ込むルートが出来上がっておるがそれに乗って北日本に湿った暖かい空気が流れ込んでおる。雨の材料がたくさんあることが第二の大雨のポイントじゃ。」

生徒 「上空の寒気はどうでしょうか?」

図2 上空500hPa予想図

アウル教授 「上空の寒気に関しては実はだいぶ抜けつつある。今、北海道にはまとまった雨雲があって、ところどころ発達した雲も含まれておるが発雷というのはそれほど観測されていない。今日の発雷確率もかなり低くなっておる。雷注意報は念のために発表されておるという感じじゃろうか。今日はそれよりも大雨に注意したい。」

生徒 「雷を伴う可能性がそれほど高くないということは、ざっと降るタイプというよりは長い時間降るタイプですか?」

アウル教授 「その通りじゃ。大雨と言っても2つの種類があることを知っておこう。一つは短時間にざっと降る(1時間に100mmを超えたりする)タイプじゃ。このタイプはゲリラ雷雨に似たもので、例えば一気に河川が増水して洪水になったりする。こういう時は大雨警報(浸水害)が発表される。この警報の名称で( )の中が大切じゃ。一方で今回はそうではなく、長い時間ザーザーと降り続くことによる雨じゃ。たとえ1時間に10mmの雨でも24時間降り続けば240mmになって今回の予想雨量に近くなる。こういう時に警戒すべきなのは土砂災害で、大雨警報(土砂災害)が発表される。地面がずっと雨にさらされることで土壌中の水分が多くなり、土砂崩れなどが発生しやすくなるのじゃ。このタイプは雨が止んだ後も警戒が必要なタイプじゃ。今北海道では警報が発表されてきておるが、深夜2時現在、大雨警報は全て(土砂災害)となっておる。と言うことで浸水外よりも土砂災害に今日は気をつけたい。」

生徒 「ただ、警報は今後の雨の降り具合によっても変わる可能性があるので適宜自分のいるところにどのような警報が発表されているのか確認しておく必要がありますね。」

アウル教授 「まったくその通りじゃのう。」

生徒 「他の地域は晴れとなるのでしょうか?」

アウル教授 「ここまで北海道ばかり雨といってきたが、東北北部も低気圧に近いため影響を受けて雨が降りやすい。東日本や西日本は今日は晴れるところが増えてきそうじゃ。と言うわけで今日関東で梅雨明けの発表の可能性があるといったわけじゃ。やはり晴れないと梅雨明けという実感はわかないからのう。」

生徒 「図2の500hPa天気図でも高気圧が西から張り出してくる様子がわかりますね。」

アウル教授 「本当は太平洋高気圧は東から張り出してきてもらいたいものじゃが、今年は西から張りだすというやや変わったものとなるが、ようやく高気圧が本州上空に張り出しを強めることになりそうじゃ。ここで注意したいのは本当は太平洋高気圧は東から張り出したい。しかし邪魔者があるために張り出せないということじゃ。その邪魔者とは…実は上空の低気圧(寒気)なのじゃ。小笠原諸島付近の上空を見て欲しい。なんとなくピンクが薄い。すぐ東には水色の領域もある。実はこれ、寒気が取り残されておる。小笠原諸島付近は昨日から発達した雲が発生しており大気の状態が不安定となっておる。今日も雨の降り方に注意すべき1日となりそうじゃ。この寒気のために高気圧はいつも通り張り出すことができないのじゃ。仕方なく西から張り出して、今夜には日本の西と東が高気圧圏内でつながり、小笠原の寒気だけが孤立するという形になっていく。」

図3 夕方の天気分布予報

アウル教授 「夕方になっても北日本は雨が続く。また、内陸を中心に今日も西日本から東日本で夕立の可能性があるというのはもう夏の恒例行事じゃのう。発雷確率は九州と北陸内陸部で40%程度となっておる。」

図4 今日の天気予報

アウル教授 「ということで北日本は今日は大雨に注意。小笠原諸島も強い雨には注意したい。その他の地域は今日も熱中症に注意したい気温になってくる。」