■お天気メモ■
・台風10号はゆっくり東へ移動中。予想進路に大きな変化はないが予報円も広いまま。
・朝鮮半島の南に低気圧発生。上空は寒冷渦で非常に強い寒気があり、付近では大気の状態が非常に不安定。
・この低気圧は寒冷渦の東側を急速に発達しながら進む。これに伴い非常に湿った空気が西日本に入るようになる。
・この低気圧と台風10号の間の西日本で風が収束し、発達した雨雲が発生する。西日本を中心に大雨となる恐れ。寒冷渦はしばらく停滞するので、雨も長引く。
・日本の東から太平洋側にかけて前線が伸びていて、前線に沿ってやや発達した雨雲が見られる。伊豆諸島では大雨警報発表中。 

生徒 「天気に関する意識調査と題して、今この時期に知っておいて欲しいこと、知っておくと役に立つこと、どれくらいの人が知っているのかなどをアンケート形式に1日1題出題するということを今日からTwitterで始めたようですね。」

アウル教授 「これから台風が接近してくる予想であることは多くの方がもうご存知じゃろう。人によっては最大級の台風となる可能性があると注意を呼びかけている予報士さんもいる。しかし、台風に備えると言っても、台風の正体を知らなければ備えようがない。まずは敵を知ることから。是非参加してもらいたい。」

生徒 「クイズも結果は明日の記事発表ということですね。」

図1 深夜0時の赤外衛星画像

生徒 「特徴的な雲は3つですね。まずは黄色で囲った雲。もちろん台風10号の雲。目がしっかりしていますね。」

アウル教授 「昨日は目がだいぶ崩れて勢力を落としていたが、今日になってまた目がしっかりしてきて、勢力も強まった。移動速度をやや早めたからかもしれんのう。ただ、図1のような目の大きさは実はそこまで発達したものでもない。中心気圧でいうと940hPa程度の台風の目の特徴じゃ。ちなみに深夜0時時点で中心気圧は945hPa。これよりもっと発達した台風というのは目がもっと小さく、それでもはっきりしていて、正円をしておる。まだ台風10号の目はしっかりはしておるがはっきりはしていない。」

生徒 「それでも940hPa程度ともなると雨風ともに警戒が必要なレベルですよね。」

アウル教授 「その通りじゃ。最大風速は45m/sでこんな風が陸地で吹けばとんでもない被害をもたらすじゃろう。さらにこの後もまだ勢力を強める予想であるから、油断できない状態が続いておる。まずは小笠原諸島や伊豆諸島南部にこの台風が近づいていくことのなる。」

図2 台風10号の予想進路

生徒 「強風域も少し拡大してきたでしょうか。」

アウル教授 「一旦勢力が弱まった時に風の強いエリアが広がったようじゃ。これは私の感覚の話ではあるが、台風は、ある程度発達すると一旦発達が穏やかになったり少し弱まりながら等圧線が混み合った領域、つまり風の強い領域は範囲が広がり、しばらくするとまた勢力が強まって、またある程度強まるとさらに強風域が広がるというような発達の仕方をすることがあるように思える。」

生徒 「予報円の中心を結び線は関東直撃ルートから東北へと少しずれてきているでしょうか?」

アウル教授 「そうじゃのう。これを見ると関東直撃ルートは避けられるかもと考える方がいるかもしれんがまだそう考えてほしくはない。と言うのも、予報円の中であれば台風の中心がやってくる確率は中心線から離れていてもそれほど変わらないからじゃ。まだまだ関東直撃の可能性というのも残っておる。一番南を通れば東海地方、一番北を通れば北海道に上陸の可能性ありと、予報円も広いままなのでまだどこに上陸していくのかわからない。予報円に中心が入る確率は70%である。逆に言えば30%は予報円から外れるということでもある。降水確率30%でもたまに雨が降ることがあるのと同じじゃと考えると良いかもしれん。」

生徒 「引き続き東日本、北日本を中心に台風への備えをしておきたいですね。」

アウル教授 「台風が直撃する可能性としては当初より低くなってきた西日本方面、しかし大雨には注意が必要じゃ。それも早くもその大雨が今日から始まるということじゃ。まだまだ台風は離れているように見えるが、実は図1で緑で囲った部分に雲が見られるのがわかるじゃろう。これは昨日書いた寒冷渦じゃ。寒冷渦は上空の台風みたいなものじゃったのう。つまり、西日本は台風10号からは離れてきたが、"上空の台風"が代わりに近づいてきたということじゃ。」

図3 深夜0時の雨雲レーダー

生徒 「緑で囲った部分の雨雲ですね。あまり無いようにも見えますが。」

アウル教授 「まだ雨雲がしっかりは発生していないのじゃ。しかし、上空には寒気が入ってきており大気の状態は非常に不安定となっておる。」

図4 上空500hPa予想図

生徒 「青い領域が九州の西でぐっと南に突き出している様子がよくわかりますね。」

アウル教授「上空の寒気が南下してきておるのじゃ。その南端に寒冷渦がある。」

生徒 「不安定なはずなのに雨雲はそれほど無いんですね。」

アウル教授 「昨日は前線が通過したばかりで日本海から乾いた涼しい風が入るという話をした。昨日は西日本も猛暑日から解放されたところも多かった。つまり寒冷渦はあっても湿った空気があまり無いので雨雲が発生しにくかったのじゃ。寒冷渦は上空の台風であるが、上空でいくら回転しても湿った空気は上空にしか入らずあまり雨雲は発生していないのじゃ。」

図5 27日夜の天気図

アウル教授 「しかし昨夜になって、朝鮮半島の南に低気圧が発生した。上空の低気圧が地上にまで到達したということを表す。こうなると地上の低気圧の周りの風が湿った空気を運んでくるので、これからは雨雲が発生しやすくなるというわけじゃ。」

図6 予想天気図

生徒 「逆に湿った空気があっても上昇気流がなければ雨雲は発生しないのでは無いでしょうか?すると上昇気流があるのは低気圧の周辺ですから低気圧の周りだけ雨雲が発生するのですか?」

アウル教授 「低気圧部分以外にも上昇気流が発生しやすい場所がある。それはこの低気圧と台風10号の間じゃ。それぞれの低気圧を回る風はこの間で衝突することになる。当然、衝突すると行き場を失った空気は上空へと運ばれる。これが上昇気流じゃ。なのでこの低気圧と台風の間の地域でも雨雲が発生しやすいのじゃ。」

生徒 「そして、低気圧は日本海、台風は太平洋側を進むのでその間に入る西日本で雨が降るというわけですか。」

アウル教授 「その通りじゃ。今日は西日本で西から雨が降り、東へ広がってくるという予想になっておる。」

生徒 「図1にはもう一つ、赤で囲ったように帯状の雲があって、これは図5を見ると前線による雲ですね。」

アウル教授 「前線自体は関東で切られておるが図3の雨雲の分布からさらに南に、九州の南あたりまで伸びておるじゃろう。太平洋側で雨が降りやすい状態になっており、伊豆諸島ではすでに大雨警報が発表されるほどの強い雨も降っておるようじゃ。ところどころ発達した雨雲もあって、降り方に注意したい感じじゃ。」

生徒 「ここからは天気分布予報を用いて雨の分布などをお願いします。」

図7 明け方の天気分布予報

生徒 「関東や東海を始め、東日本所々で雨が予想されていますね。」

アウル教授 「これらの雨は前線による雨じゃ。一方で九州も北部から雨が降ってくる予想じゃがこれは西から低気圧が進んでくるためじゃ。」

図8 昼前の天気分布予報

生徒 「昼前になっても関東や東海はあまり天気良くなさそうですね。九州の雨は中国・四国地方にも広がろうとしている時間帯ですね。」

アウル教授 「東日本方面の前線は停滞前線なのでなかなかすっきり晴れることもなく、特に東海では引き続き傘が必要になる予想じゃ。西日本も西から雨雲が進んでくる。」

図9 夕方の天気分布予報

生徒 「夕方になっても東日本方面は雨が続きますね。西日本の雨は近畿まで広がろうとしていますね。」

アウル教授 「この後の天気分布予報を見ると近畿の雨は夕立せいかもしれんのう。近畿だけでなく西日本の雨は降り方にも注意する必要がある。激しい雨や落雷などにも注意したい。」

図10 夜遅くの天気分布予報

生徒 「今日の雨雲に広がりは中国四国あたりまででしょうか。一方で東日本方面はまだ雨が残るところがある感じですね。」

アウル教授 「今まで見てきたように、今日は西日本、東日本ともにそこまで天気は良くは無いという予想でお出かけの際は傘を持っていきたい。なお、総雨量の予想は九州北部で150mm、中国で80mm、四国で60mmとなっておる。さらに明日にかけて総雨量は多くなり大雨に警戒が必要じゃ。」

図11 今日の天気予報

アウル教授 「今日はいろいろな場所に傘マークがついた。ということはお出かけの際は傘を持っていきたいということでもある。西日本はここ最近雨が少ない状態が続いており、雨量が少ないうちは恵みの雨となるじゃろう。しかし、雨が続けば、今度は土砂災害などの危険性も高まってくる。気象庁などが発表する気象警報などを参考にして、自分の住んでいる場所にどういう災害の危険があるのかを把握するようにしよう。」