■お天気メモ■
・北日本は冬型が少し緩まってきたが、等圧線間隔は比較的狭く、引き続き強風や高波に注意。
・北日本は午前中にかけては雲がとれて晴れるところが多いものの、午後からは上空の気圧の谷により雲が広がり雨が降り出すところも。
・高気圧が日本海側から太平洋側に東日本を通って南東方向に通過。 朝にかけて東日本は晴れて放射冷却が効きそう。朝は気温がやや低め予想。
・日中は高気圧が早くも太平洋側に抜け、東日本は南寄りの湿った風が入る。このため雲が広がりやすいが雨となる確率は低い。
・九州の西から太平洋側にかけて前線が伸び、前線付近は活発な雨雲が見られる。九州と四国は今日は雨が降りやすく、雨量が多くなる可能性も。西日本は前線北側の雲が広がるが、本州までは雨雲は広がりにくい予想。 

生徒 「地震は本当にどこで起こるかわかりませんね。昨日の鳥取県を震源とする地震は、ここ十数年は大きな地震がなかった地域で突然起きたものでした。最近地震がないから安全という考えは全く愚かな考えであることを思わせる地震となりましたね。」

アウル教授 「そうじゃのう。地震はまだまだ気象以上に未知の分野であるから、根拠のない考えは危険じゃのう。」

生徒 「その点、気象はある程度は確立された分野ですね。ツイッター上などでは昨日の衛星画像で地震雲が書かれているなどというものも見られましたが、あの雲は気象学的に説明できる雲で、地震雲ではありませんね。」

図1 昨日昼過ぎの衛星画像

アウル教授 「ちなみにオレンジで囲った雲じゃがこれは上空のジェット気流周辺でよく見られるトランスバースラインと呼ばれる雲じゃ。ちょうど晴れと曇りの境にできるので、地上から見るとまるで空が真っ二つに分かれているように見えることがあるからか、地震雲信者が飛びつくことが多いがのう。もしこれが地震雲ならそもそも震源とずれているし、こんな大きな地震雲ならその発信源がどこか全くわからない。ちなみに、ここ数日子のオレンジの雲が動いていないというような話もあったが、それは上空のジェット気流の位置があまり変化しなかったからであって、昨日から今日にかけてはゆっくり北上していっていることもわかるぞ。」

図2 深夜1時の赤外衛星画像

アウル教授 「さて、ここからは今日の天気を見ていこう。」

生徒 「東日本や北日本は雲は少なめですね。夜は晴れているようです。」

アウル教授 「夜晴れるというのはこの時期はあまり嬉しいことではないのう。放射冷却が起きてしまう。東日本や北日本は今日の朝はひんやりするかもしれんのう。風邪を引かないようにしよう。」

生徒 「西日本方面は比較的雲が多いですか。」

アウル教授 「そうじゃのう。こちらは西から雲に覆われてきた。朝は放射冷却はあまり聞かない予想じゃ。」

図3 21日夜の天気図

生徒 「雲があるところには前線が発生したようですね。」

アウル教授 「西日本方面は雲に覆われているがその中でもオレンジで囲った九州の西の部分には真っ白に移った塊が見られる。これは非常に発達した積乱雲であることを表しておる。天気図を見ると前線が北に盛り上がったところじゃ。秋雨の時期によく書いたことじゃが、前線は北に盛り上がった部分で雨が強く降りやすい。前線上に低気圧が発生するのもこのような盛り上がり部分であることが多いので、前線が北へ盛り上がっているときはそこに低気圧があると思ってもいいほどじゃ。」

図4 深夜1時の雨雲レーダー

生徒 「九州には雨雲がかかってきて雨が降っているようですね。」

アウル教授 「衛星画像で雲がかかっているところすべてが雨が降っているわけではない。前線の北側に広がる上空の雲もあって、単に曇り空というところも多い。しかしやはり前線に近い九州や四国は今日は雨が降りやすい予想じゃ。特に全体的に西から東へと雲が動いていくので、九州南部はこれからあの発達した雲が接近してくる可能性があり、雨が強まる恐れがある。九州南部や四国方面は雨の降り方に注意したい一日じゃ。今夜までに九州南部で200mm、奄美で100mmの雨が予想されておる。」

生徒 「西日本は広く雨になるのでしょうか。」

アウル教授 「今回は陸地にはそこまで雨は広がらない予想じゃ。というのもいつもは太平洋沿岸に沿って低気圧が進んでいくことが多いが今回は真東に動いていく感じで、列島からは東へ行くほど離れるためじゃ。前線や低気圧の北側に広がる雲はかかるので雲が多い空にはなるが、雨にまではなりにくいというのが本州の今日の天気予想じゃ。一方で九州や四国はやはり雨が降りやすい。」

生徒 「東日本はまだまだ前線から遠いですし、晴れ間が期待できそうですか?」

アウル教授 「そうでもない。東日本は一見、前線から遠く今日も晴れそうな気もするが予想では晴れの時間はそれほど長くない予想じゃ。それはこの後の天気図を見ると理由が見えてくる。」

図5 朝の予想天気図

生徒 「日本海にあった高気圧が朝にはもう太平洋にあるんですね。」

アウル教授 「夜のうちに北陸から関東を通過して南の海上へ抜けてしまう。このため夜は高気圧に覆われて晴れるので先ほど話したように放射冷却が東日本は起きるのじゃが、朝になると早くも高気圧が抜けて、そうなると高気圧の縁を回る湿った空気が入りやすくなってくる。このために雲が広がりやすい予想じゃ。ただ、やはり前線からは離れているので雨にはこちらもなりにくい予想じゃ。伊豆諸島などは雨が降るかもしれんがのう。」

生徒 「北日本は冬型が少し緩まってきたでしょうか。雨雲雪雲はほとんどなくなりましたね。」

アウル教授 「高気圧が本州を通過中ということで西高東低の気圧配置はやや緩んでおる。が、まだ北海道の北では西高東低の冬型が続いており、この影響で等圧線がやや混み合った感じじゃ。もうしばらく強風や高波に注意が必要じゃ。冬型が緩まると晴れてくると思うかもしれんが確かに午前中にかけては晴れやすいが、図2に書いたように北日本の西の大陸上には雲が広がってきておる。これは上空の気圧の谷による雲で、午後からはこれが北日本にかかってくるので雲が広がりやすく、雨が降ってくるところも出てくる予想じゃ。こちらでは午後以降を中心に傘が必要になってくるかもしれないのでお出かけの際は傘を忘れずに持っていきたい。」

図6 東京の時系列予想


生徒 「東京は雲が多い予想ですね。午前中などはまだ晴れも予想されていますが、午後からは特に曇りマークが並んでしまいました。しかし南風が入ってくるということもあり、気温がそこまで低いというわけではなく、むしろ平年を少し上回る気温に日中はなる予想です。」

図7 鳥取の時系列予想


生徒 「昨日大きな揺れに見舞われた鳥取、今日は太平洋沖に伸びる前線の北側の雲がかかるために雲が広がりやすいですが雨にまではなりにくい予想です。降水確率は一日を通して10%以下です。早速後かたずけやボランティアに訪れる方もいらっしゃるかもしれませんが比較的動きやすい一日と言えるかもしれませんね。」

図8 朝の天気分布予報と雨量予想

生徒 「朝は九州南部を中心に雨量が多めで雨の降り方に注意が必要です。九州北部や四国でも雨が降りやすい予想です。西日本から東日本は雲が広がりやすく、東北は比較的晴れる範囲が広い予想です。」

図9 昼過ぎの天気分布予報と雨量予想

生徒 「昼過ぎも九州南部を中心に雨が強く降る可能性があります。他に九州北部や四国、伊豆諸島で雨が降る予想です。また、上空の気圧の谷の影響で北海道でも雨が降り出すところが出てくる予想です。本州は雲が多めの予想です。」

図10 夜の天気分布予報と雨量予想

生徒 「夜になっても九州や四国は雨が降りやすい予想で結局、一日雨が降りやすいということになりました。北海道や東北北部も雨の範囲がやや拡大する予想です。これかの地域は傘を持って出かけたいですね。」

図11 今日の天気予報

アウル教授 「雨が予想されているところでは雨が降っていなくても傘を持っていきたいが、それ以外の地域は雲が広がるものの雨は降りにくいというところも多く、折り畳み傘があれば安心じゃが、出かける際に忘れたとしてもそこまで心配するような天気でもなさそうじゃのう。日中は平年並みかそれ以上に気温が上がってくるので過ごしやすい気温といえば過ごしやすそうじゃのう。」