生徒 「今日は天皇誕生日ですね。今年最後の祝日となります。」
アウル教授 「まあ、もうお正月みたいなもので、半分冬休みじゃから、今年最後の祝日と言っても休みが増えた感はないかもしれん。」
生徒 「では、今日はクリスマスイブイブです。」
アウル教授 「正月を迎える前にクリスマスの方が気になっておる方も多いじゃろう。今年はどこでホワイトクリスマスとなるかのう?」
図1 午前6時の地上天気図
アウル教授 「まずは今日の天気から見ていこう。」
生徒 「九州の南に低気圧があって日本の南を進んでいきそうですね。」
アウル教授 「前線があるということはそこで大きく温度差のある空気があるということじゃ。特に前線より南側の空気は水蒸気を多く含んだ暖かい空気になるので前線より南側で湿った空気が入って雨雲が発達する。」
生徒 「ということは、今日は南西諸島では激しい雨のおそれがあるということですね。」
アウル教授 「もちろん、雨が降るのは前線の南だけではない。低気圧があるということでその周辺や、また、低気圧の東側でも湿った南風が入るために低気圧が近づく前から雨が降りやすい。一方で低気圧の西側は北寄りの比較的乾燥した風となるので一気に雨雲は少なくなっていく。」
生徒 「今日に関しては低気圧が接近してくるわけですから雨が降りやすい天気ということですね。」
アウル教授 「今日は九州から関東まで広い範囲で雨が降りそうじゃ。低気圧本体が接近してくると、雨足が強まったり、風が強まったりするので、低気圧接近のタイミングは特に注意が必要になる。」
生徒 「雨雲の広がる時間を教えてください。」
アウル教授 「今夜の天気図で低気圧の位置を確認してみよう。」
図2 今夜の予想天気図(上)とあす夜の予想天気図(下)
生徒 「今夜は四国沖に低気圧が来る予想ですね。」
アウル教授 「この低気圧周辺例えば紀伊半島などでは今夜遅くにかけて雨足が強まることに注意が必要じゃ。天気予報はマークを見ることも大切じゃが、天気予報本文を見ることも大切で、例えば今日の和歌山県の天気はこうなっておる。
"東の風 後 北東の風 海上 では 南東の風 やや強く くもり 夕方 から 雨 所により 夜 雷 を伴う
波 1メートル 後 1.5メートル"
波 1メートル 後 1.5メートル"
この、夜に雷のおそれがある場合は特に、夜になって雨足が強まる可能性を示唆しておる。というのは、雷を伴うような発達した雲が接近するからじゃ。」
生徒 「なるほど。でも、低気圧が近づく前から雨は広い範囲で降り出してくるのですよね。」
アウル教授 「九州ではすでに降り出しておるが、昼前までには中国四国地方の一部で、昼過ぎには近畿や北陸の一部と、あと伊豆諸島でも降ってきそうじゃ。伊豆諸島は低気圧からは離れておるが、南から湿った空気が入ってくるためじゃ。夕方には東海関東で雨が降ってくる。夜になると東北南部で雨となりそうじゃ。関東では、低気圧からはまだ離れておるが、南からの湿った空気の影響で早くから雨となりそうじゃ。低気圧の進行に沿って西から東へと広がる雨雲の流れと、低気圧東の南風に沿って南からの北へと広がる雨雲の流れの2つがあって、西日本は前者、東日本は後者の流れで雨が降ってきそうじゃ。」
生徒 「低気圧が通過したあとは雨はやんできますか?」
アウル教授 「低気圧の西側では先ほども書いたように天気は回復へと向かう。今夜遅くには早くも九州で、あす朝には四国や中国地方瀬戸内側では雨がやんできそうじゃ。」
生徒 「あす夜はクリスマスイブですが、なんとなく冬型の気圧配置っぽいですよね。」
アウル教授 「ホワイトクリスマスを期待する気持ちはわかるが、残念ながらというところが多そうじゃ。低気圧通過後は冬型となることはなるのじゃが、今夜からあすにかけて低気圧によって南風が入り、暖かい空気に覆われてしまう。あす夜は冬型へと移行し、日本海側を中心に降水となりそうじゃが、暖かい空気が残るために日本海側の降水は雪ではなく雨の予想じゃ。」
図3 午前8時発表の天気予報
アウル教授 「今日はまだ南風が強くなるのは西日本だけじゃから、九州や四国では雨の割に高い気温じゃが、その他の地域は南風はない上、曇りや雨で日差しも少ないので気温は低めでひんやりしそうじゃ。ただ、今夜からあすにかけて低気圧が通過すると南風が入って暖かい空気に覆われるので、あすは各地で気温が上がってきそうじゃ。ただ、この低気圧接近時の雨は落雷や突風、激しい雨となる恐れもあるので注意が必要じゃ。」
(画像は全て気象庁HPより)